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35年前の傷あと [ひとりごと]

高校の同窓会誌が届いていた。

卒業以来、1度も同窓会費を払ったことがないのだけれど(ごめんなさーい)、せっかく送ってくれるものなので、毎回卒業生や当時の先生の消息などをぱらぱらとめくって見たりする。

今回は、母校の新聞部が発行する学生新聞の縮刷版が掲載されていた。
記事によると、35年ぶりに合唱コンクールが復活したという。
それだけなら「ふーん」と流すところだったが、35年前に廃止された理由が「高校紛争」だというので、驚いてしまった。

1969~70年、全国を吹き荒れた学生運動の嵐。政治や社会への批判や改革を叫びながら、学生と機動隊が衝突した東京大学をはじめ、各地の大学でバリケード封鎖などが盛んに行なわれた。
その運動が高校にも飛び火して、制服や授業のあり方について教員を糾弾するなど、学生と学校が紛争状態になるところもあったという。

その激流の中に母校もあったというのは初耳だった。女子高はそういう「闘争」とは無縁だと思い込んでいたので。
まず自治会活動が麻痺状態となったため、部活動が停止し、続いて合唱コンクールを含む文化祭も廃止された。
生徒総会では先生方を一人ひとり壇上に呼び出して、制服や授業の意義を厳しく問いただすこともあったという。いわば「つるし上げ」だろう。
その後文化祭の行事は徐々に復活したものの、合唱コンクールだけは35年間、廃止されたままだったらしい。

わたしが入学したころにはすでに紛争の名残はカケラもなく、先生から「ぬるま湯」と笑われるほど平和でのびのびした校風になっていた。
ただ、制服や校則は自治会で生徒自身が決めることになっていて、先生は事後報告を受けるだけ。校則ガチガチの中学校から来たわたしは、「高校生ってオトナだな~」と感心するばかりの能天気学生だった。

しかしこの「自主独立」的な校風のおおもとに、自治をめぐる先生と生徒、あるいは生徒同士のドロドロした闘いがあったとは。
月の裏側を見てしまったような、少し複雑な気分ではある。


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コメント 4

そーすけ

こんばんは。
高校紛争とう言葉は初めて聞きました。まぁ、田舎だったんで地元に大学も無く、大学紛争ですらほとんど縁の無い生活をしておりましたから。
当時の高校生というのは、そうやって正面から向かい合っての話ができたんですね。まじめだったんですね。
by そーすけ (2005-10-18 02:11) 

たかち

なんか小説の中のお話みたいですね。
なのにリアルな感じで不思議です。
学校に歴史あり!ですね。
by たかち (2005-10-18 18:23) 

チヨロギ

>そーすけさん、こんばんは。
確かに大学がすぐ近くにあったという環境は影響しているかもしれませんね。
当時、大学の自治会の多くは在校生ではない○○派の人たちに乗っ取られていましたから、たぶん高校にもそういう人たちが入り込んで扇動していたんじゃないかと思うんですよ。
いやー、のん気な後輩としては想像できない世界の話です。
by チヨロギ (2005-10-19 00:01) 

チヨロギ

>たかちさん、こんばんは。
古い学校だけに、たたけばホコリも出てくるという感じでしょうか。ゴホゴホ。
当時を知る先生方やOGたちに、突撃取材してみたい気分です。
そしたら小説でも書いてみようかな?・・・ウソです。
by チヨロギ (2005-10-19 00:03) 

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