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ポジオリ教授と赤めだか [散読記]

石垣島の記事を書くのがちょっと(かなり?)遅れそうなので、
その前に別の話題を少し。

最近ずっと、本屋に行っても食指が動く本がなくて困っていたんですけど、
ブログ仲間のみなさんのおかげで、ひさびさにおもしろい本に出会いました。

ひとつは、『カリブ諸島の手がかり』。

カリブ諸島の手がかり (河出文庫)

カリブ諸島の手がかり (河出文庫)

  • 作者: T S ストリブリング
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2008/08/04
  • メディア: 文庫

ひと月ぐらい前、Yuseumさんのブログで『ポジオリ教授の冒険』の紹介記事を読んだのですが、
詳細な作品解説にとても興味を引かれたので、
まずポジオリ教授ものの1冊目から読んでみようと思ったのでした。
それがこの『カリブ諸島の手がかり』です。

それぞれの内容についてはYuseumさんのホームページに詳しく紹介されていますので、
ぜひそちらを~ d( ̄  ̄) ヾ(^o^;ォィォィ

1920年代のカリブ諸島を舞台にした5作品のうち、
とくに気に入ったのは「カパイシアンの長官」でした。
アメリカ人心理学者ポジオリ教授が、ハイチの為政長官ボワロンに請われて、
反乱軍を指揮するヴードゥー教呪術師のいかさまを暴きに行くというストーリー。
人種や宗教や文化、さまざまな価値観の衝突が物語の背景に描かれていて、
ミステリ以上に小説として読み応えがあります。
一見粗野、じつは鋭い知性をもつ黒人のボワロン長官がまた魅力的なんですよねv

それと、最後に収録された作品「ベナレスへの道」。
ポジオリは持ち前の好奇心から、トリニダード島のヒンドゥー寺院で一夜をすごし、
とんでもない事件に巻き込まれてしまうのですが。
・・・衝撃のラストが待っています[人影]


◆◆◆◆


もひとつは、こちら。

赤めだか

赤めだか

  • 作者: 立川 談春
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2008/04/11
  • メディア: ハードカバー

読む人はもうとっくに読んでいるはずの、この『赤めだか』。
著者の立川談春は立川流の落語家であります。
落語のことはぜーんぜんわからないワタクシですが、
実際に彼の落語を聴いた柴犬陸さんの記事(こちらこちら)を読んでいたので、
やたらと人気のある巧い落語家さん、ということだけは知っておりました。
で、先日ふと思いついて彼のエッセイを買ってみたわけですが・・・。

こんなにおもしろい本だったとは!![目]

高校を中退して17歳で立川談志に弟子入りした談春の、
前座から真打になるまでの修業の日々を綴った自伝的エッセイで、
彼の目から見た談志(ルビは「イエモト」)のエピソードが無茶苦茶おもしろい。
心底、談志に惚れてるんだなあと思いました。
そういう意味では全編、師匠への恋文と言えなくもない。いや、言いすぎか。

最後のところで、いよいよ談春が真打昇進試験に挑むんですけど、
このくだりがまたすごい。そして感動的!
落語になじみのない人にも、兆おすすめですw


◆◆◆◆


本ではないけれど、これもブログを通じての出会いということで。
パリでごはん」の幡地縁さんから、秋のコンフィチュールが届きました。
前回はメロンのジャムとトマトのジャムでしたが(記事はこちら)、
今回はピオーネ・りんごのジャムと、みかんのジャム。



まず、みかんから開けてみました。



完熟の因島みかんをひとつひとつ選別して、
3日間つきっきりでつくったものだそうです。
出来上がったのは、たった12瓶。(すぐに売り切れてしまいました)
フレッシュなみかんの瑞々しさがそのまま生きていて、
すっごくおいしいんですよ~♪
目で舌で味わいながら、ゆっくり楽しみたいと思います(^.^)

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コメント 25

流星☆彡

ありゃりゃん。私もっと待~つ~わ♪な事態なんですね。。。
では 粘り強く(?)お待ちすることにします。^^;

12瓶のうちの1瓶ですか!?プレミア・ジャムですね♪ 舌は欠けますけど
その分も目で楽しませていただこう!(^.^)

落語は ぜひとも寄席で体験したいなぁ。師匠・弟子の関係とかも 噺の情も
日本人だからこそ感じ入って笑える…ってとこ ありますもんね。
by 流星☆彡 (2008-12-10 00:45) 

Morimo

カリブ。。。いったことがあります。遠かったっす。
by Morimo (2008-12-10 01:33) 

柴犬陸

リンクを有難うございました。
「赤めだか」、実は図書館から昨夜受け取ったばかりです。へへへ。
その意味でも、とてもタイムリーな記事にビックリしました。
この本で、彼は今年の講談社エッセイ賞を受賞したとか。
文章力においても相手を唸らせる人のようです。

例のジャムですね。
これはもう感嘆するしかありません。
by 柴犬陸 (2008-12-10 11:06) 

たかち

>一見粗野、じつは鋭い知性
こーゆー人憧れます(^m^)
う~~~ん、名前がカタカナか・・・(苦笑)
赤めだかなら読めそう(笑)
by たかち (2008-12-10 20:44) 

Yuseum

チヨロギさん、リンクありがとうございます(^^)
我ながら、記録を残すのは重要だとつくづく実感!
「カリブ諸島〜」、面白いのは覚えているのですが、内容はすっかり忘れてしまってます〜f(^ー^;
でも、読書備忘録を見る限り、「カパイシアンの長官」にはチヨロギさんと同じように気に入ったのでしょう。
・・・さすがに、「ベナレスへの道」のラストは覚えています。
(先にネタバレされたから(!_+))
by Yuseum (2008-12-10 21:41) 

チヨロギ

◇流星☆彡さん◇
いっやー、すみません! ほんとに書くのがトロくて(滝汗)
次回こそは書きますので、いましばらくお待ちをo( ̄ー ̄;)ゞ
このみかんジャム、柑橘類特有のきつさとか苦みとかが全然なくて、
ほんとに爽やかな味なんですよ~♪

それから落語ですが、私もじつはちゃんと聴いたことがないんです。
この本を読んだら、とくに古典落語を聴いてみたくなりました。
 > 師匠・弟子の関係とかも 噺の情も
ほんとにそうですね~!
考えてみたら、このエッセイがまさに落語の世界そのものと言えそうです。
by チヨロギ (2008-12-10 23:03) 

チヨロギ

◇Morimoさん◇
カリブに行ったことがあるんですか? すごーい!(@_@)
 > 遠かったっす
その言葉、実感こもってますね(笑)
by チヨロギ (2008-12-10 23:03) 

チヨロギ

◇柴犬陸さん◇
こちらこそありがとうございます~(^.^)
 > 「赤めだか」、実は図書館から昨夜受け取ったばかり
ほんとですか?! なんとうれしい偶然でしょう☆
談春の文章は半端なくうまいです。笑わせるし、泣かせるし。
あと、陸さんの志の輔独演会の記事で談春が「志らく」を名乗った意味が、
この本のおかげでようやくわかりましたw
ほんとに彼は、只者ではありませんね。

 >例のジャムですね
はい、幡地さんのジャムです。
何しろ数が少ないので、無事手に入ってよかったです~(´▽`) ホッ
by チヨロギ (2008-12-10 23:04) 

チヨロギ

◇たかちさん◇
そっか、カタカナは苦手なんでしたね( ̄ー ̄;
漢字の名前(水滸伝とか)にはあんなに強いのに、不思議~(笑)
でも、『赤めだか』にはボワロン長官が出てこないしなぁ(?)
by チヨロギ (2008-12-10 23:05) 

チヨロギ

◇shinwaさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2008-12-10 23:05) 

チヨロギ

◇akisketchさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2008-12-10 23:05) 

チヨロギ

◇Yuseumさん◇
こちらこそ、おもしろい本のご紹介をありがとうございました(^.^)
そうなんです、簡単でも読書メモを書いておくと、
あとで自分が思い出しやすいんですよね。
その点でブログというのはありがたいですv
Yuseumさんのオススメだけあって、「カリブ諸島~」は秀逸でした!
さっそく『ポジオリ教授の冒険』も注文しました。
「ベナレスへの道」は、ネタバレされてお気の毒でしたね(^▽^;)
それにしても、見事なラストでした・・・。
by チヨロギ (2008-12-10 23:07) 

sara

ブログを通じてのご縁で、知ったものって多いですし、良いんですよね、これが。
私も、いろいろな方のブログで「へ〜♪」と思ったり、買おうと思ったりしてます。
ジャム美味しそうですね。そうですか、ブログで紹介されていたのですね。
ふむふむ、これは美味しそう! みかん好きのチヨロギさんが美味しいと言うのですから、間違いないですね。今度はいつ出来るのかな〜。注文してみたいです♪
by sara (2008-12-11 20:32) 

チヨロギ

◇sonyさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2008-12-11 23:10) 

チヨロギ

◇saraさん◇
私にとっていまやブログは、大事な大事な情報源です( ̄ー ̄)
新聞の書評欄よりもブログのほうが、おもしろい本が見つかりやすかったりして。
このジャムは、パリで料理修業をしたあと故郷で料理教室を開いている幡地さんの、
パリ仕込みのコンフィチュール=ジャムなんですよ~♪
とても爽やかで、優しい味がします(^.^)
by チヨロギ (2008-12-11 23:10) 

チヨロギ

◇greensさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2008-12-11 23:11) 

janvierm

お帰りなさい(*'ー'*)ノ~~゚.+:。
美味しそう~なジャムですねぇ( ̄¬ ̄*)じゅるぅ 

落語家sanってテレビで見ただけやと、普通のおっさん(コラ;;)にしか見えないのに、1度だけ林家正蔵san(その当時はまだこぶ平sanでした)の落語をおじさんに連れられて観に行ったことがありますが、正直、TVの印象で小ばか(コラコラ;;;)にしていましたが、かなりおもしろかった記憶がありますw

【赤めだか】かなり気になります♪
by janvierm (2008-12-11 23:31) 

みなみー

この見事なジャムに釘付け!
美味しそう~~~~~

立川流に入門される方々は、皆さん彼に惚れてますよね。
他のお弟子さんから見た話も笑えるものが多いし。

売れてる落語家さんって、文章もうまいよねー
話の組み立てがうまいのかな。
by みなみー (2008-12-12 18:47) 

チヨロギ

◇janviermさん◇
ども! 帰ってまいりました(^.^)
みかんジャムは甘酸っぱくておいしいですよ~♪

こぶ平、いや正蔵の落語をナマでご覧になったことがあるのですね!
私は上野のデパートですれ違ったことがあります。テレビのまんまでした( ̄ー ̄;
彼の落語、おもしろかったんですね。
見た目は頼りないですが(笑)、真面目に精進しているのでしょう。
「赤めだか」はとにかくおもしろいです! 機会があればぜひ♪
by チヨロギ (2008-12-13 00:14) 

チヨロギ

◇鳥谷さん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2008-12-13 00:14) 

チヨロギ

◇わーこさん◇
こちらでは、はじめまして。ご訪問ありがとうございます。
by チヨロギ (2008-12-13 00:15) 

チヨロギ

◇みなみーさん◇
ペクチンを使っていないので、ソースみたいにゆるいジャムなんですが、
オレンジとは違う「みかん」の味がしっかり出ていて、おいしいですv

 > 立川流に入門される方々は、皆さん彼に惚れてますよね
そうでしょうね~。談春のエッセイに出てくる前座仲間もみんな、
談志を喜ばせるために涙ぐましいほど努力していて、それがまた笑えますw
それにしても、談春の文章はすごくうまいです。
ほかの落語家さんの本は読んだことがないんですが、
きっと人を笑わせる・泣かせるツボがわかっているんでしょうね~。
by チヨロギ (2008-12-13 00:15) 

チヨロギ

◇柴壱さん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2008-12-16 00:39) 

Kimball

う、ううぅ~ん、こ、こまっちゃったなあ~...
(ツンドク病の凡人おやじ...)
読むのがいつになるのかわかんないけど、
アマ損カートにいれたくなった本ばかり...\(^o^)/
ご紹介ありがとうございました!!
by Kimball (2008-12-20 09:07) 

チヨロギ

◇Kimballさん◇
2冊とも、ホントにおもしろいです!
最近、個人的にハズレ本が多かったので、
すっかり購買意欲が薄れていたのですが、
これのおかげで読書欲が復活しましたv
by チヨロギ (2008-12-21 02:38) 

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