黒い十人の女@青山円形劇場 [theatre]
仕事がひと息ついたので、お芝居の話を。
先月末、青山円形劇場でナイロン100℃公演「黒い十人の女」を観てきました。
1961年に製作された市川崑監督の同名の映画を、KERAが舞台化したもの。
映画のほうは未見なので、原作がどの程度アレンジされているのかはわかりませんが。
とりあえず言えることは、映画を観てなくてもオモシロイぞー! ってことです。
物語の舞台は1960年代のテレビ業界。
プロデューサーの風松吉(みのすけ)は、次々と降りかかる難題もするりするりとこなしていく有能な男、しかも女にはやたらモテる。
妻(峯村リエ)のほかにベテラン女優(松永玲子)、印刷会社社長(村岡希美)、CMガール(新谷真弓)、新人歌手(中越典子)、エレベーターガール(緒川たまき)など9人の愛人がいて、みんなおたがいの存在に薄々気づいている。
移り気な風に不満を持ちながら、なぜか風と別れられない彼女たちは、「いっそ彼が死んでくれたら」と風の殺害を共謀。
妻が経営するレストランに集まった10人の女たちと、殺害計画に気づいて妻に泣きつく風。そして妻がとった驚くべき行動とは――。
まず、人形と化した登場人物たちが倉庫から運ばれてきて台座に置かれ、彼らが動きだした瞬間に舞台上の時間が1960年代に飛ぶ、という冒頭の演出が秀逸。一気に引き込まれます。
「叔母との旅」や「ハーパー・リーガン」でも堪能した小野寺修二の振付は、今回もキレのいい動きがめちゃくちゃかっこよかった。
キャストもほぼ文句なし。
みのすけの風は、全然イケメンじゃないところが妙にリアルでした。マメで、優しくて、優柔不断で。
ふわふわとした存在感のなさに、ギョーカイ人の浮ついた感じとか孤独感がよく反映されてたと思います。
女優陣も期待どおり。
肝のすわりっぷりが頼もしい妻役の峯村リエ、哀れだけど笑いを誘う女社長の村岡希美、自己チューなCMガールの新谷真弓など、女性の内面を描くのが妙にうまいKERAさんだけあって、それぞれに説得力があります。
劇の後半で展開される女たちの復讐劇にはぞくぞくしました~。(ニヤリ)
あと登場人物でちょっと気になったのが、新進女優(奥村佳恵)とアナウンサー(小林高鹿)。
アナウンサーはイケメンなのに全然モテないタイプで、劇が進むにつれて皮膚病の手がどんどん悪化して大変なことに。これっていったいどんな意味がこめられているのでしょうねー。考えすぎか。(笑)
新進女優は一見ピュアで美しいんだけど、風松吉を女にしたような軽薄さと風にはない図太さをもっている。
結局、女って怖ーい、ということですね。(←強引なまとめ)
公演パンフレットより。
舞台となった1960年代のテレビ番組表が載ってます。
懐かしい~と思った人。歳がバレますよ。(^^;
先月末、青山円形劇場でナイロン100℃公演「黒い十人の女」を観てきました。
1961年に製作された市川崑監督の同名の映画を、KERAが舞台化したもの。
映画のほうは未見なので、原作がどの程度アレンジされているのかはわかりませんが。
とりあえず言えることは、映画を観てなくてもオモシロイぞー! ってことです。
物語の舞台は1960年代のテレビ業界。
プロデューサーの風松吉(みのすけ)は、次々と降りかかる難題もするりするりとこなしていく有能な男、しかも女にはやたらモテる。
妻(峯村リエ)のほかにベテラン女優(松永玲子)、印刷会社社長(村岡希美)、CMガール(新谷真弓)、新人歌手(中越典子)、エレベーターガール(緒川たまき)など9人の愛人がいて、みんなおたがいの存在に薄々気づいている。
移り気な風に不満を持ちながら、なぜか風と別れられない彼女たちは、「いっそ彼が死んでくれたら」と風の殺害を共謀。
妻が経営するレストランに集まった10人の女たちと、殺害計画に気づいて妻に泣きつく風。そして妻がとった驚くべき行動とは――。
まず、人形と化した登場人物たちが倉庫から運ばれてきて台座に置かれ、彼らが動きだした瞬間に舞台上の時間が1960年代に飛ぶ、という冒頭の演出が秀逸。一気に引き込まれます。
「叔母との旅」や「ハーパー・リーガン」でも堪能した小野寺修二の振付は、今回もキレのいい動きがめちゃくちゃかっこよかった。
キャストもほぼ文句なし。
みのすけの風は、全然イケメンじゃないところが妙にリアルでした。マメで、優しくて、優柔不断で。
ふわふわとした存在感のなさに、ギョーカイ人の浮ついた感じとか孤独感がよく反映されてたと思います。
女優陣も期待どおり。
肝のすわりっぷりが頼もしい妻役の峯村リエ、哀れだけど笑いを誘う女社長の村岡希美、自己チューなCMガールの新谷真弓など、女性の内面を描くのが妙にうまいKERAさんだけあって、それぞれに説得力があります。
劇の後半で展開される女たちの復讐劇にはぞくぞくしました~。(ニヤリ)
あと登場人物でちょっと気になったのが、新進女優(奥村佳恵)とアナウンサー(小林高鹿)。
アナウンサーはイケメンなのに全然モテないタイプで、劇が進むにつれて皮膚病の手がどんどん悪化して大変なことに。これっていったいどんな意味がこめられているのでしょうねー。考えすぎか。(笑)
新進女優は一見ピュアで美しいんだけど、風松吉を女にしたような軽薄さと風にはない図太さをもっている。
結局、女って怖ーい、ということですね。(←強引なまとめ)
公演パンフレットより。
舞台となった1960年代のテレビ番組表が載ってます。
懐かしい~と思った人。歳がバレますよ。(^^;
面白そうなストーリーですね! 映画(DVD)で観てみたいと思ってしまいました。
私は、震災後まだロードショーに行っていません。被災地近くに行くのが怖くて;
最近は、ふと見た韓国ドラマにハマってしまい、DVDで第60話まで観てしまいました。
そろそろ、シネコンに行けるよう、頑張らないとね。f^-^;
テレビ番組表、あさ・ひるというのが面白いですね。(けっして懐かしくは(^-^ゝ
by sara (2011-06-13 01:24)
冒頭部分から60年代へ飛ぶ演出なんか面白そうで好みだなぁ。いい感じ。(←偉そうにっ^^;)
わたくし、振りかかる難題や予想外のアクシデントを難なくすり抜けてしまうこともなく、有能な男でもなく、世渡りもいたって下手くそでありますし。そっちのギョーカイにも縁はありませんからねぇ。優柔不断で浮ついた感じの生き方ってのもいっぺんやってみたいもんだなぁ。えへへ
60年代の番組表・・・しらないもーん^^;
by そーすけ (2011-06-13 17:41)
私もやっと記事upしたところです。
映画も興味があってDVDを借りました。
市子は女優の方なので、少し戸惑いましたが、やはり面白かったです。
KERAは原作本の翻案が上手いですね、心に残ります。
岸田國士原作の「犬は鎖につなぐべからず」や「命を弄ぶふたり」、
ゴーリキィの「どん底」でも、同じ感想を持ちました。
WOWOWではなく、CSフジでしか放映されないみたいで残念です。
私が観た日が収録日でしたので、もしかして映り込んでいるかもしれません。
その場合はあっさりスルーしてくださいね。(^^;)
1960年代後半の方が個人的には懐かしいです。
by 柴犬陸 (2011-06-13 19:36)
◇xml_xslさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2011-06-14 11:44)
◇saraさん◇
映画のほうはあちこちで「カルト的傑作」と紹介されている作品なので、
DVDで観てもおもしろいんじゃないかと思いますよー♪
被災地の映画館はもう平常どおり営業しているのでしょうか。
余震に邪魔されることなく、安心してロードショーを楽しめるようになるといいですね。
おや、テレビ番組表に見覚えはございませんかー?ww
by チヨロギ (2011-06-14 11:45)
◇向日葵さん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2011-06-14 11:45)
◇きむたこさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2011-06-14 11:45)
◇そーすけさん◇
映像や音楽の使い方、役者の動きなどにハッとする演出が多くて、
きっとそーすけさんにも気に入ってもらえるんではないかと。( ̄∇ ̄)
主人公の男は有能かつモテ男ではあるのですが、あまりにも救いのない結末が待っています。
よって、この生き方を真似することはお勧めできません。(;゚(エ)゚)
番組表のすみっこにあるナントカホリデーとか、ホントに知りませんかー?w
by チヨロギ (2011-06-14 11:46)
◇柴犬陸さん◇
よかった、記事をUPされたんですね! 楽しみに読ませていただきますー♪
映画と舞台、配役が違うんですか? なぜKERAがそこを変えたのか、興味ありますね。
彼の翻案モノは「どん底」しか観ていないのですが、あれはすごくおもしろかった!
原作の持ち味を損なわないまま、オリジナル作品にしてしまうところがすごいと思いました。
「世田谷カフカ」とか「2番目、或いは3番目」とか、最近の舞台中継はフジテレビNEXTが多いですね。
TVで舞台はあまり観ないんですけど、陸さんが映っているんだったら契約しちゃおうかなー(笑)
ちなみに、座席はどのあたりで?"φ(・ェ・o)~メモメモ
この番組表は60年代前半ですが、名前を知っている長寿番組もちらほら。
あと、一緒に行った初ナイロンの姉が、劇場で流れていた音楽をすごく懐かしがってましたよ~♪
by チヨロギ (2011-06-14 11:47)
◇amaneさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2011-06-14 11:48)
◇いっぷくさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2011-06-14 11:48)
「ひとり言」へのご訪問、
有り難うございました^^
by yu-papa (2011-06-14 17:59)
1960年代は生まれていないので、懐かしくないです(笑)
男なら、復讐されてもいいから、一度は風のようにモテたいものです(^^;;
by Yuseum (2011-06-14 18:55)
◇yu-papaさん◇
こちらこそ、ご訪問ありがとうございます。
by チヨロギ (2011-06-14 23:18)
◇Yuseumさん◇
むむ、ジェネレーションギャップ。(←歳バレてるw)
たしかにモテてはみたいけど、真綿で首を絞めるような復讐にはとても耐えられません・・・(`ロ´;)
by チヨロギ (2011-06-14 23:19)
◇たかちさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2011-06-14 23:19)
このタイトル見たことあるなぁ、と
調べてみたら1961年のほかに2002年に
深キョンやキョンキョン(キョンだらけw)達が出演の
ドラマのポスターか制作記者会見を憶えていたみたい。
小林薫がプロッデューサー役。
ドラマは見てはいなかったけど、ほかに浅野ゆう子、鈴木京香、
木村多江などなど主役級の女優さんが沢山でお芝居するのって
大変そうだなあ、ってその時は思ってました。
バランス考えないでどんどん話題の人出しちゃう
シャンプー「TUBA○I」のCMとか映画「オーシャ○ズ11」のような?f(´-`;)
番組表。て、てなもんや三渡笠(@_@)
この番組のプレゼントに母が応募してクッキーが
当たったことがあります(クラッカーじゃないよ)
歳ばれるぅw
by ゆううこ (2011-06-16 14:19)
◇ゆううこさん◇
そのドラマ、全然記憶にありません!
映画版のキャストが船越英二、山本富士子、岸恵子、中村玉緒、岸田今日子、宮城まり子と、
それこそ主役級の俳優が勢ぞろいしているので、
テレビ版も相当がんばっちゃったんじゃないかなー。
本妻は誰なんだろう。深キョンは新人歌手?
再放送したら見てみたい気がしますねー。
> シャンプー「TUBA○I」のCM
たしかにあれは無節操(笑)。とりあえず全部出しとくー? みたいな。
てなもんや三度笠でクッキーが当たったんですか? 貴重な体験ですね!
それも前田製菓なのかしら。クラッカーじゃないけど。
ちなみに、この番組ってほとんど見た記憶がないのに、
ギャグだけは憶えてるのが不思議w ( ̄ー ̄;
by チヨロギ (2011-06-17 02:18)
◇今造ROWINGTEAMさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2011-06-17 02:19)
◇ぼんぼちぼちぼちさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2011-06-18 14:04)
◇yukkyさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2011-06-18 14:05)
◇kiyoさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2011-06-22 02:37)
◇Kimballさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2011-07-19 12:46)