上映終了間際、映画「コーラス」を観る [cinema]
急に仕事が空いたので、久しぶりに映画でも観ようかとネットで検索してみた。
希望としては、
・映画館が遠くないこと(←行き帰りで体力消耗したくないから)
・シリアスで重いのはパス(←考え込む知力体力がないから)
・超人気映画もパス(←早くから並ぶor立ち見する気力がないから)
映画好きにはありえない脱力的な条件設定ですね。
この厳しい条件を見事クリアしたのは、近所の映画館であと数日で上映終了する
『コーラス』というフランス映画。
紹介記事には「『ニュー・シネマ・パラダイス』のジャック・ペラン製作」とある。
役者さんの名前を見たら誰も知らないけど、まあいいか。
……あらら、不覚にも感動してしまいました。
『ニュー・シネマ・パラダイス』というよりは、好きなことを誰かに認められて
才能を花開かせる少年、そのえもいわれぬ幸福感が胸に伝わってくるところが、
大好きだった『リトル・ダンサー』を思い起こさせる映画だった。
舞台はフランスの片田舎にある寄宿学校「池の底」。
戦後の貧しさのなかで親と離れ、寂しさと鬱憤を晴らすために悪さばかりする
子どもたちと、それを過酷な体罰で締めつける校長先生。
そこへ冴えない感じの音楽教師が赴任してきて、合唱隊を結成し、
やがて子どもたちや他の先生の心を開いていく、というストーリーである。
見どころ(聞きどころ)はなんといっても少年たちのボーイソプラノ。
なかでも音楽教師との出会いで人生を大きく変えるピエール役のモニエ少年。
悲しい目とあまりにも美しい歌声に泣きそうになった。(すいません、
本当は泣きました。)
ありきたりと言えばありきたりの話だが、こういう映画はかなり好きなほうだ。
子どもが描かれる作品って、子どもの感受性に胸を打たれるだけではなく、
彼らをとり巻く大人たちの希望とか野心とか、大きく言えば人生との向き合い方が
鏡のように映し出される気がして、いつもわが身を振り返ってしまう。
自分は大人としてどうなの? と。
余談だが、冷淡な校長がどうしても、いつだったかの『3年B組金八先生』で
金八先生と対立していた千田校長に見えてしょうがなかった。
学校のイヤミキャラに国境はないってことでしょうか。
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