近況報告＆藪原検校＠シアターコクーン [theatre]
何かマズイ病気にかかったんじゃないの？ と思うくらい、だる～い日々が続いておりました。
職場のPCの故障と自分の風邪に加えて、ひじょーーーーにくだらないトラブルに巻き込まれてしまいまして。
傍から見ると子どものケンカみたいなものなんですけど、ケンカの当事者双方から怒りのはけ口にされたこっちは、たまったもんじゃありません。
言葉のもつ毒というのは、つくづく恐ろしい。
延々聞かされていると、じわりじわりと生気が奪われていくのです・・・コワッ。
というわけで、家のPCを立ち上げる気力も失せるぐったりな毎日でしたが、ゆるゆると復活してまいりたいと思います。
まあ、更新頻度はもともと低いんで、見た目には何の変化もないんですけどね＾＾；
＋＋＋＋
さて、だるいの疲れたのと言いながら、観てきました「藪原検校」。
せっかくチケットをとったお芝居ですもの、這ってでも行きますよ～。
［cast＆staff］
出演：古田新太、田中裕子、壤晴彦、段田安則、梅沢昌代、六平直政、山本龍二、松田洋治、神保共子、景山仁美、赤崎郁洋（ギター演奏）
作：井上ひさし、演出：蜷川幸雄、音楽：宇崎竜童
東京公演：2007年5月8日～31日 Bunkamura シアターコクーン
上演時間：第１部95分・休憩15分・第2部80分
公演概要 http://www.bunkamura.co.jp/shokai/cocoon/lineup/07_yabu/index.html
←パンフレットには悪人顔が勢ぞろい
劇全体が、舞台袖にすわった盲太夫（壤晴彦）の語る藪原検校の一代記、という構成になっています。
江戸中期の東北の寒村、塩釜の地で生まれた杉の市（後の二代目藪原検校＝古田新太）は、生まれながらの盲目。
生きる手段として奥浄瑠璃などを習い覚えるために、座頭の家に預けられます。
彼がどういうタイプの人間かをストレートに表現しているのが、明るいフォークソング調で出演者たちが歌う「藪原検校のテーマ」。
大江戸の秋の夕間暮れ 丈余の影を引きずって
白目むきむき杖ついて 向こう通るは藪原検校
主殺し 見殺し 人殺し 年増殺しにかかぁ殺し
娘殺しに姫殺し ごろごろごろつき 殺し屋
天賦の才能をもちながら「手癖が悪く手が早い」杉の市は、師匠の女房・お市（田中裕子）にまで手を出すありさま。
江戸への逃避行の前に立ち寄った実家で誤って母親を殺してしまい、天涯孤独の身で頼れるものは金だけと信じて、次々と殺人を犯しながら財を成し、異例の速さで出世していきます。
そして、盲人社会で最高位にあたる検校に上りつめた途端、運命が大きく反転するのです。
稀代の悪党が主人公なので、歌って踊って（！）の喜劇の中にも残酷で陰惨な場面、エロティックな場面がてんこ盛り。
その背景には徹底的に虐げられていた社会の底辺の人々、差別された盲人たちの悲惨な状況があって、それに対する怒りのパワーというのが、劇を引っぱる原動力にもなっています。
ところが、暗さを感じるどころか、観ていて不思議と愉快・痛快な気分になってくる。
それは、「言葉」のもつ圧倒的な生命力が観客にびんびん伝わってくるから。
不謹慎だの差別表現だの、何かとイチャモンをつけては「言葉」を厳しく取り締まる昨今では、文学も芸能も窒息寸前です。
でも『藪原検校』の舞台では、ありとあらゆる「言葉」たちが鎖から解き放たれて、奔放に暴れまわっている。
その「言葉」を自由に操る者として、彼ら芸能の民が描かれているわけです。
アノ台詞とかソノ場面とか、よい子のみなさんにはお見せできないシーンも多々あるのですが（笑）、古田新太さんの熱演、田中裕子さんの色気、一人で何役も演じ分ける俳優さんたちの見事な早変わり、大いに楽しみました。
体調不良の身には少々こたえましたけど・・・これは自業自得。
- 出版社/メーカー: ホリプロ
- 発売日: 2007/11/21
- メディア: DVD
＋＋＋＋
［おまけ］
先週末、小さなガラスのネズミが届きました。
じつはこれ、お香典返しなんです。かわいいでしょ？
goober walking
← 投票ボタン
おぅわぁ！ ガラスのネズミ、可愛すぎ(O。O;)(o。o;)
こういうの弱いんです、Yuseumf^_^;
（本論へのコメントはどうした、Yuseum(゜o゜)ヾ(--；オイオイ...）
by ゆーじあむ (2007-05-21 22:54)
チヨロギさん、風邪の方がかなりお悪いのかと、心配しておりましたが、そういうことでしたか。まずは、安心いたしました。(^^)
仕事では、人間ですから衝突してしまう事もあると思います。
でも、周りに負のエネルギーを撒き散らすのは、周りが迷惑ですよね。
体力の無い時の観劇は少々辛いですが、気分転換になったのかも。
ガラスのネズミちゃん、凄くかわいくって癒されますね～☆ (*^-^*)
by (2007-05-21 23:00)
気力回復されてきて 何よりです。(*^_^*)
白・ブルー系のハンカチ・タオル類を見ると 「あ～、これ お香典返しだった。」と
思ふことが多い経験値ですが、これは可愛い♪
私 干支がネズミです～。（←(ーー;) 何の関係が。。。）
by 流星☆彡 (2007-05-21 23:28)
気力が落ち込んだときには、やっぱり好きなものを見たり聴いたりするのが良いみたいですね★
嫌なことも多い世の中ですが、お互い頑張って行きましょう♪
by took (2007-05-22 06:01)
いつも 不要な雑貨が香典返しに来ます
こんなものなら 歓迎です♪
かわいらしいネズミは遺族の優しさを感じると共に
哀愁も感じます
by てつろう (2007-05-22 07:26)
気候のせいもあるかと存じます。小生もこのところボヤっとしてて・・・。お芝居はいい気分転換になるでしょう。
・・・なんとステキな香典返しなんでしょう。こういう感覚、好きですね。
by (2007-05-22 14:23)
＞ひじょーーーーにくだらない
チヨロギさんのお気持ちが伝わる記事でした。
このことば、思いっきりぶちかまして下さい。笑
私、今週日曜日にこの芝居を観ます。
本当はスルーしたい気持ちでしたが、夫が珍しくぜひにと言うものですから。
なお、この前日（土曜日）には、KERA氏の「犬は鎖につなぐべからず」です。
こちらの方に主眼を置いて観るつもりです。
でも、観たあとはどうなっているやら。
ネズミの香典返しとは、亡くなられた方がネズミ年だったのでしょうか？
それなら人ごととは思えません。
こんなセンスのある身内の方と、チヨロギさんはご縁があるのですね。
もしかして、叔父さまでした？
by 柴犬陸 (2007-05-22 16:15)
作）井上ひさし、演出）蜷川幸雄、音楽）宇崎竜童ってすごいメンバーじゃないっすか！？
これは行かなくちゃ！！
おいらもダルダルです～～。原因は解ってますが（苦笑）
by たかち (2007-05-22 19:50)
大変ですよね、人に挟まれるのって(;^_^A本当にお疲れ様ですm(_ _)m
私も今、なかなか大変になってきました（笑）
ありとあらゆる方に、急に会って「しゃべって」るので
一日の終わりには喉が痛いです（笑）で、早く寝てしまい・・・（笑）
でも皆さんきっとチヨロギさんにお話することで癒されてるのかな・・・
お逢いしてなくても、チヨロギさんのところに行きたくなる私には
正直その方々のお気持ちもわかるです（笑）なーんて、ごめんなさいね、ご迷惑なのに・・・（笑）
柴犬陸さんが仰ってましたが、私もそのお香典返しのネズミさん、スゴク素敵だな・・・て思いました(*^-^*)
そしてこのお芝居、オトナな私もやはり見てみたいですね（笑）
よい子のいない時間に・・・(≧∇≦)ﾅﾊ（笑）
by shikayu (2007-05-22 20:18)
薮原検校のパンフレット・・・迫力ある顔ぶれですね。
特に段田さんが凄い！
好きなものを見て、聴いて、読んで、食べて、眠って・・・奪われた生気を取り戻されますように！
クリスタルチューチュー、小首を傾げているところが愛くるしいです！
by びっけ (2007-05-22 23:38)
知人が、仕事帰りに微熱状態で「藪原」を見たそうです。
そんなコンディションにはかなりヘビーだったようで、感想をあまり多くは語りませんでした。
お疲れのチヨロギさんにもかなり…だったでしょうか。
ガラスのネズミちゃんが可愛くて洒落ているので、私の時は柴犬で…
なんて、ちょっとマネしてみたくなりました^^;
by 柴壱 (2007-05-23 02:07)
◇Yuseumさん◇
ガラスのネズミ、気に入っていただいてうれしいです(^.^)
私も箱を開けた瞬間、「わぁ～！」と叫んでしまいました。
高さ3cmぐらいの小さな小さなネズミです。かわいいですよ～☆
by チヨロギ (2007-05-23 04:36)
◇saraさん◇
ご心配をおかけしてすみませんm(__)m
＞周りに負のエネルギーを撒き散らす
まさに！ そのとおりなんですよ～(T_T)
こちらが間に入って何とかなることならまだしも、
どうにも解決できないことをグダグダと・・・。
でも、お芝居はがんばって観に行ってよかったです！
saraさんも映画で上手に気分転換されているのでしょうね。
ガラスのネズミは光をきらきらと乱反射して、見ていると和みます(^^♪
by チヨロギ (2007-05-23 04:37)
◇流星☆彡さん◇
どうもご心配をおかけいたしました～m(__)m
ブルー系のタオル類はたしかにお香典返しの定番ですね。
消耗品なので困ったりはしないですが、印象は薄いかも・・・。
干支がネズミなのですか？ うちの兄もです！
といっても、流星☆彡さんよりひと回り上なんですけども^^;
by チヨロギ (2007-05-23 04:39)
◇tookさん◇
やはり気分転換が大事ですよね～。
好きなものを観て、おいしいものを食べて。
そんなことで結構、元気を取りもどしたりするものです。
おかげさまで、本調子までもう少しです！
by チヨロギ (2007-05-23 04:41)
◇てつろうさん◇
無難なものがいいのか、ユニークな路線でいくべきか。
贈り物選びって、むずかしいものですよね。
このネズミは、私が喜ぶと思って特に選んでくれたものだそうで、
とてもありがたいなと思っております(^.^)
by チヨロギ (2007-05-23 04:41)
◇cocoa051さん◇
季節の変わり目に異常気象、地球も人も調子が狂ってしまいますよね。
ガラスのネズミは家族にも大好評でした。
私もぜひ、今後の参考にしたいと思います♪
by チヨロギ (2007-05-23 04:42)
◇柴犬陸さん◇
やっぱり柴犬陸さんにはお見通しですね＾＾；
ほんとにもう、バカバカしいやら情けないやら。
でもここで吐き出したら、少し気分が軽くなりました。
私も単純だなぁ～（笑）
KERAさんの舞台、きっとご覧になると確信していました！
よかったら、ぜひレビューをお願いしますね。
おっ、柴犬陸さんはネズミ年ですか？ (._.)φ ﾒﾓﾒﾓ...
ご推察どおり、これは叔父の香典返しなのですが、ネズミ年ではないそうです。
私もネズミ年ではないんですけど・・・ネズミっぽいイメージ？（謎）
by チヨロギ (2007-05-23 04:43)
◇たかちさん◇
この顔ぶれ、すごく豪華ですよね～！
宇崎竜童さんの音楽は、意外に懐かしいフォーク調だったり、
ミュージカル調だったり。ちょっとびっくりでした。
たかちさんのダルダルも、早くすっきりするといいですね～＾＾；
by チヨロギ (2007-05-23 04:44)
◇shikayuさん◇
役員のお仕事、お疲れさまです！
満遍なく気配りをなさるshikayuさんのことですから、
新しい環境でのお疲れは相当なものとお察しします。
喉が痛くなるほど酷使されているのですか？
大事になさってくださいね。喉は歌手の命ですから！（え？）
今回のトラブルでは、私は何の役にも立たないし、立つつもりもないのですが、
どっちの味方にもつかなかったせいで、集中砲火を浴びる破目に（苦笑）
人間関係ってむずかしいですね～。おたがいがんばりましょう！＾＾；
藪原検校は、ところによりR-18指定っぽい場面もあったりしますが＾＾；
機会があれば、ぜひお楽しみいただきたいです（笑）
by チヨロギ (2007-05-23 04:44)
◇びっけさん◇
この写真のみなさん、すごい形相でしょう？
悪人は主人公一人ではないんですよー。
段田さんもある時は人殺し、ある時は高名な盲人学者と、
たくさんの役を器用に演じ分けていました＾＾
おかげさまで、じわじわと生気を取りもどしてまいりました。
＞クリスタルチューチュー
わー、かわいい呼び名ですね！
by チヨロギ (2007-05-23 04:45)
◇柴壱さん◇
微熱に藪原はこたえるかもしれませんね（笑）
でも私の場合、内容的にはあまりヘビーではなかったですよ～！
蜷川さんの演出はグロテスクというより、ユーモラスな印象でした。
これは古田新太さんのキャラクターのせいかな？
ただ、好き嫌いは分かれるかも。柴壱さんの感想もぜひお聞きしたいです。
ガラスの柴犬、きっとかわいいでしょうね☆
ガラスのカメは・・・微妙～（笑）
by チヨロギ (2007-05-23 04:47)
◇鳥谷さん、nice！ありがとうございます♪
by チヨロギ (2007-05-23 04:47)
作：井上ひさし、演出：蜷川幸雄、音楽：宇崎竜童だけで興味が沸きますね。
by noric (2007-05-23 05:51)
ひじょーーーーにくだらないトラブル、という長い棒引きにチヨロギさんの心情が見て取れました；；
ううっ；お気の毒です★
好きな観劇や可愛いネズミでリフレッシュできるといいですね！
でも、あまりご無理をなさいませんように〜！！
by (2007-05-23 11:33)
◇noricさん◇
それぞれが強力なパワーを持っていますよね～＾＾
なかでも脚本の持つパワーは圧倒的でした。
by チヨロギ (2007-05-24 03:03)
◇梨花さん◇
おぉ、わかっていただけましたか～(T_T)
ご心配いただき、また温かいコメントをありがとうございます！
いまは暇さえあればリフレッシュしております（笑）
おたがい、マイペースでゆるゆるいきましょうね＾＾
by チヨロギ (2007-05-24 03:04)
大変でしたねー。もう落ち着かれましたでしょうか？
この春に放送が終わった、古田さんのラジオ番組の最終回に
蜷川さんがゲストで出られ、この舞台のお話をされてましたよ。
古田さんと蜷川さんのやり取りを聞いているだけで、舞台にも
興味が沸きました（結局、行きませんでしたけれど・・・）。
古田さんって、本当にいい役者さんですよねー。
by 椎名 (2007-05-24 22:41)
◇椎名さん◇
おかげさまで、たぶん落ち着いたと思います～（苦笑）
古田さんと蜷川さんの対談があったのですか？ それは聞いてみたかったです！
この舞台は、なんといっても古田さんの悪党ぶりが見ものです。
あと、台本12ページ分に及ぶ「早物語」という芸を披露する場面があるのですが、
これがまたすごかった！ 終わった時は拍手喝采でしたよ～☆
by チヨロギ (2007-05-25 02:15)
◇nakashiさん、nice！＆TBありがとうございます。
by チヨロギ (2007-06-09 14:13)
◇mizuiroさん、nice！ありがとうございます♪
by チヨロギ (2007-06-14 02:39)
◇ayaさん、nice！ありがとうございます。
by チヨロギ (2008-09-30 23:36)