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国盗人@世田谷パブリックシアター [theatre]

別の日とダブったという従姉からタダでチケットをもらったので、急きょ三軒茶屋まで行ってまいりましたー。

出し物は、野村萬斎演出・主演による『国盗人』。
シェイクスピアの『リチャード三世』の翻案です。

 パンフレットより

[staff]
作:河合祥一郎
演出:野村萬斎
作調:田中傳左衛門
衣装:コシノジュンコ
出演:野村萬斎、白石加代子、石田幸雄、大森博史、
今井朋彦、山野史人、月崎晴夫、小美濃利明、
じゅんじゅん、すがぽん、ほか

[data]
東京公演:2007年6月22日~7月14日 世田谷パブリックシアター
上演時間:2時間50分(1幕1時間20分、休憩20分、2幕1時間10分)
公演概要: http://setagaya-pt.jp/theater_info/2007/06/post.html

タダ券なので文句は言えないんですけど、3階席の最前列でした。
コンサートならともかく、お芝居を3階席から見るのって初めてかも。
いやはや、あんなに高くて恐ろしいところだとは・・・(T_T)


※以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。


原作の『リチャード三世』は、ばら戦争のさなかにある15世紀イングランドを舞台に、策を弄して政敵を次々と葬り去り、王座を手に入れた途端に悪運尽きて破滅するリチャード三世の物語。
この舞台設定を日本に置き換えて、しかも狂言と現代演劇をミックスさせるという、かなり気合の入った実験的作品が今回の『国盗人』です。

原作のヨーク家とランカスター家は、「白薔薇一族」と「赤薔薇一族」に。
ヨーク家の三兄弟は「一郎」、「善二郎」、「悪三郎」に。
この悪三郎が読んで字のごとく、主役の大悪党・リチャード三世にあたるわけです。


『リチャード三世』の舞台はいままでに何度か観ていますが、醜く生まれついた自分と世界のすべてを呪う大悪党リチャードは、残虐で滑稽で哀れで、なのに圧倒的な魅力を持った人物。
これを野村萬斎さんがどう演じてくれるのかが見ものだったのですが。

正直言って、入り込めませんでした(-_-;)

萬斎さんの悪三郎はすごく愛嬌があって、今風な駄洒落も飛ばすし、マツケンばりにミラーボールで歌い踊るし、サービスたっぷりに楽しませてくれました。
王妃・皇太后その他、主な女性4人を1人で演じ分ける白石加代子さんも、さすがの貫禄です。
あの《カマキリ将軍》こと今井朋彦さんも、ついに生で見られたし♪(彼は3役を演じています)
狂言の手法を生かした演出も凝っていて、最後まで退屈はしないのだけれど。

なんだか「萬斎ショー」なんですよねー。
ダイナミックな時の流れが、悪三郎にスポットが当たっている間だけ停滞してしまう感じ。
王位に就いたあと、悪三郎は誰も信じられなくなって絶望していくわけですけど、その内面の劇的な変化にも説得力がなかった。
やはり狂言は悲劇には向いていないのかなぁ。
パーツはそれぞれ、すごくおもしろかったんですけどね。

世田谷パブリックシアター

 


今日はテンションが低くなってしまって申し訳ない。
お口直しに、《カフェ コムサ》のケーキをどうぞ♪
(写真は先月のものですが・・・もしや賞味期限切れ?!)

↑グレープフルーツのケーキと、

↑パインのタルト。ウサギみたいですよね。

夕暮れの神宮の森には、ねぐらに帰るたくさんのカラスたちが見えました。
おっと、ここには写ってませんので悪しからず。


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コメント 20

流星☆彡

ええ~っ!世田谷パブリックシアターに お越しでしたら、声かけて下さったら
肩でも揉みに伺いましたのに~ぃ!\(-o-)/ 舞台が“いまいち”だったん
でしたら なおさら~☆(^ε^ ) ←(ーー;) それにしても…白石加代子さんが
いつにも増して(!)超怖いメイクですね~。(@_@A;) ミラーボールの下で歌い
踊る萬斎さんには、かな~り 興味を惹かれますけども♪^m^
先月のケーキ 見せられても な~。…って、何ヶ月も経過した お菓子写真
出してるよ~な 亀な婆も居りますから。。。お腹 丈夫じゃなきゃ、ブロガーは
務まりませぬ!ゞ( ̄∇ ̄)ヲイヲイ
by 流星☆彡 (2007-07-12 02:52) 

took

3階席からお芝居ってちょっと興味ありますね♪
どんな感じなんだろ・・・
それにしても、最近なぜだかグレープフルーツがものすごく気になります。。。
このケーキもおいしそうですねぇ・・・★
by took (2007-07-12 06:01) 

柴犬陸

世田パブの2階、3階席は高すぎて、ちょっと怖いです。
だから、「ロマンス」(こまつ座)のチケット申し込みでも、1階席に限る、と条件をつけました。
わがままな願いが叶えられて、ホッとしているところです。
この芝居は演出も彼自身ですからね、それがどうも。。。
スルーして正解だったようです。
by 柴犬陸 (2007-07-12 08:31) 

shikayu

グレープフルーツのケェキさっぱりして美味しそうですね~!
先日新聞で、萬斎さんのインタヴュー拝見していたので「お!」
てかチヨロギさんの一族は、フツーにお芝居のチケットが流通してらっさいませんか・・・なんかセレブな・・・・(笑)
そうですか~萬斎さんのショーのよう・・・
やはり観劇の達人から見ても、まだまだ狂言と悲劇の融合に(?(笑))
改良の余地ありと・・メモメモ(笑)(笑)
ご本人はかなりリキ入った感じでらっさいましたが・・・そうですか、メモメモ(笑)
個人的に教育番組に出てらっさるので、親近感はございます~(笑)
by shikayu (2007-07-12 12:13) 

野村萬斎さんは「あぐり」ではじめて観てから好きな役者です。もともと吉行淳之介に関心を持っていたこともあって、私のなかでは吉行淳之介=野村萬斎なのです。
ケーキが美味しそう。最近はマンゴーのタルトにハマったりしています。
by (2007-07-12 15:40) 

キャー、野村萬斎さまではございませんか。と思ったら、入り込めませんでしたか。
なるほど。個性が強過ぎて、表に出過ぎるとちょっと入り込めない時がありますよね。
野村萬斎さんでは、陰陽師の最初の映画がとても良かったのですが、当り過ぎたかな。
フルーツケーキもタルトも、お洒落で美味しそうですこと!! 食べたい〜♪(^^)/
by (2007-07-12 20:51) 

チヨロギ

◇流星☆彡さん◇
そっかー、流星☆彡さんの地元だったのですね。
空に向かって遠吠えしてみればよかった~o(* ̄○ ̄)ゝ
白石加代子さんはやっぱり迫力ありましたです!
この写真よりはずっとナチュラルメイクでしたが(笑)
3階席だったので天井が近くて、席に座った時から
目の前のミラーボールが気になっていたんですよね~。
トータルではともかく(笑)、随所にユニークな趣向があって
それなりに楽しかったです(o ̄ー ̄o) ムフ♪
 >お腹 丈夫じゃなきゃ、ブロガーは務まりませぬ
私、すぐお腹壊すんですけど・・・ブロガー失格?!(゚O゚;
by チヨロギ (2007-07-13 00:50) 

チヨロギ

◇tookさん◇
3階から高みの見物って、かなり怖いです!
私が高所恐怖症だからということもあるんですけど・・・^^;
グレープフルーツ、お好きですか?
私もルビーが特に好きなんですよ~♪
by チヨロギ (2007-07-13 00:51) 

チヨロギ

◇柴犬陸さん◇
えっ、2階席も怖いんですか?!
よかったー、私も「ロマンス」は1階席です^^
でも3階席からは意外と舞台が近くに見えたので、
高所恐怖症でなければけっこうお買い得な席だなと思いました。
「国盗人」、私も自分ではスルーしていたのですが、
タダで観られるならと喜び勇んで行きました(笑)
入り込めなくても、退屈はしなかったです^^
by チヨロギ (2007-07-13 00:53) 

チヨロギ

◇shikayuさん◇
ケーキ、まさに「さっぱりしていて美味」でした♪
チケットがまわってきたのは初めてのことなんですよ~!
今回イトコは別口で頼んでいた千秋楽が手に入ったので、
念のため押さえていたこの日のチケットが余ってしまったのです。
萬斎さんのインタビュー、私も新聞で読みました!
内容は忘れてしまいましたが・・・(爆)
「国盗人」は、思いつくアイディアを全部盛り込んでしまった感じで、
楽しいけどお腹いっぱいでした~^_^;
by チヨロギ (2007-07-13 00:54) 

チヨロギ

◇cocoa051さん◇
「あぐり」は見たことがないんです。あんなに人気ドラマだったのに(^^ゞ
萬斎さんはきっと才能あふれる方なんだろうなと思います。
今回は少し、演出家として欲張りすぎてしまったのかも。
マンゴーのタルトですか! それもおいしそうですね~(^¬^)ジュル
by チヨロギ (2007-07-13 00:55) 

チヨロギ

◇noricさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2007-07-13 00:55) 

チヨロギ

◇saraさん◇
もしかして萬斎さんのファンでいらっしゃいましたか?
そうでしたら、今回は誠に申し訳ございません~m(__)m
狂言で悲劇を、しかも悪役を演じるというのは
すごくむずかしい挑戦だったと思います。その意欲はすばらしい!
・・・いや、フォローとかじゃなくて~(汗)
ケーキはかなりボリュームがあるのですが、
フルーツの味を素直に生かしていておいしかったです♪
by チヨロギ (2007-07-13 00:56) 

鎚鋸

芝居は疎いですが、
「リチャード3世」に引き寄せられました。
私、世界史大好きです☆
by 鎚鋸 (2007-07-13 01:52) 

チヨロギ

◇鎚鋸さん◇
世界史がお好きというと、ばら戦争はご存じですね^^
私はよく覚えていないのですが・・・(笑)
この作品のリチャード3世は大悪党なんですけど、
史実のリチャード3世は違っていたという説があって、
名誉回復の動きまであるそうです。
お話としては悪党のほうがおもしろいんですけどね^^
by チヨロギ (2007-07-14 23:14) 

鎚鋸

政権争い期の歴史は時代が人を悪党にさせる
部分があるのかも知れないですよね。

ばら戦争のケースは結果として
ランカスター家が治める形で終結をするので
対するリチャード3世側のヨーク家が悪役を背負う形は
物語にするには自然とも言えます。
でも、彼にも自家を王にする事情がありますので、
そのために政敵を破ることは悪役と伝えられながらも
彼・彼らとしての正義があったとも言えます。

もしも、その時の運などが味方していれば
彼も日本で言う源頼朝のように
伝えられていたかも知れません。

しかしながら、戦争は勝った者が英雄。
それが歴史の深いところであり、面白いところでしょう。
長くなりまして失礼致しました。
by 鎚鋸 (2007-07-15 03:44) 

柴壱

世田パブの3階席って怖いんですか~( ..)φメモメモ
話には聞いていたけど…
そういえば、先日友人たちと「世田パブの芸術監督って誰?」という話になって
「野村萬斎かなぁ…?」と聞きました。ならば「萬斎ショー」も納得かも。
真偽のほどはわかりませぬが。
by 柴壱 (2007-07-15 12:22) 

チヨロギ

◇鎚鋸さん◇
おっしゃるとおり、伝承されるのは「勝者の歴史」なんですよね。
後年の歴史家の作為や作家の脚色によって、敗者は悪者に、
勝者は英雄に書き換えられてしまいます。
シェイクスピアは国王をパトロンとする劇団の座付作者でしたから、
リチャード=悪、リッチモンド=善として物語を描くのは
立場上、当然のことでしょう。
(それでも悪役リチャードの存在感はピカイチです!)
日本にも「勝てば官軍、負ければ賊軍」の言葉がありますが、
教科書で習うのは「官軍視点からの歴史」だったんだなぁと
『組!』を通して改めて痛感した次第です。
でも、ほんとうは歴史に勝者も敗者もないんですよね。
興味深いコメントを、どうもありがとうございました!
by チヨロギ (2007-07-15 22:42) 

チヨロギ

◇柴壱さん◇
3階席、相当怖いです! 変な汗をかいてしまいましたよ(^^;)ゞ
萬斎氏は5年前から芸術監督で、次期も監督を続投するようです。
彼は女性ファンが多いので、彼女たちにとっては今回の“ショー”、
大満足の出来だったかもしれません。
ところで、柴壱さんや柴犬陸さんのような芝居通のみなさんは
さらりと「世田パブ」っておっしゃるんですね。
かっこええわぁ~☆
by チヨロギ (2007-07-15 22:43) 

チヨロギ

◇ayaさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2008-09-30 23:29) 

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