SSブログ

ミザリー@シアターアプル [theatre]

ホラーは超苦手なんです。
しかもスティーヴン・キングのホラーなんて、映画どころか小説さえ読んだことがありません。
そんなわたしが、舞台版「ミザリー」を観ることになろうとは。

  • 理由その1。あまりにつまらない芝居を観てしまったので口直しに。
  • 理由その2。いぢめられる小日向文世さんがちょっと見てみたいかも?
  • 理由その3。チケット半額だったから!(笑)

ロブ・ライナー監督の映画版「ミザリー」が公開当時ヒットしたせいか、
主演のキャシー・ベイツの怖~い表情だけはなぜか記憶にあります。映画観てないくせに^^;
途中でびっくりして貧血起こしたりしないように、できるだけ下調べをして本番に臨みました。
ビビりには心の準備ってものが必要なんです・・・。

[data]
出演:渡辺えり、小日向文世
原作:スティーヴン・キング
脚本:サイモン・ムーア

東京公演:2007年9月29日(土)~10月10日(水) シアターアプル
上演時間:1幕65分、休憩15分、2幕60分
公演概要:http://www.komapro.co.jp/pfm07_05.html

[story]
大衆向けロマンス小説『ミザリー』で一躍売れっ子作家となったポール・シェルダンは、
自分の作品に嫌気がさし、主人公ミザリーに死を与えてシリーズを終わらせてしまう。
ところが、やっと書き上げた現代小説の自信作をエージェントに届ける途中、
ポールが運転する車は崖から転落。
両足に瀕死の重傷を負った彼を助け、自宅で介抱してくれたのは元看護婦のアニーだった。
『ミザリー』シリーズの熱狂的愛読者で、ポールの「ファン・ナンバーワン」を自称するアニーは、
助けた相手が彼と知って狂喜するものの、ミザリーの死を知るや逆上。
監禁状態に置いたポールに拷問を加え、ミザリーが生還する続編を書かせようとする。
密かに脱出を試みるポールに気づき、ついにアニーが下した制裁とは――。

 


  パンフレット表紙(左)と、裏表紙(右)

 

まず驚いたこと。渡辺えり子さん、改名していたんですね!
ロビーに並んだお花の「渡辺えり様」を見て、てっきり間違いかと思いましたよ。
まだどうも違和感が・・・。そのうち慣れるかなあ。


   ↑パンフレットでは、まだ「渡辺えり子」です


お芝居のほうは、1幕はちょっと単調かなという気がしたけれど、
2幕に入ってからじわじわと、コワ楽しくなってきました。
渡辺えりさんは、母親のような包容力でかいがいしくポールの世話をしたかと思えば、
数々の残忍な拷問も平然とやってのける。
そんなアニーの多重人格なところを、まったくシームレスに演じていて見事でした。
一方小日向さんは、檻に閉じ込められた動物の雰囲気が、じつによく似合う方(←ほめてます)。
でも終幕に近づくにつれて、作家としてのプライドと狂気がポールを蝕んでいく様子は、
アニーと別の意味で怖いものがありました。

一部のシーンを除けば、いわゆるホラー映画的な怖さはほとんどなく。
むしろ、屈折したひとつの愛のカタチを見せられたような気がしています。
誘われなければけっして観ることはなかった作品ですが、けっこう楽しんでしまいましたw

それにしても、ああいう結末だったとは・・・。原作や映画はどうなのかしら。
でもDVDで確認するのは怖すぎる! だれかこっそり教えて~~(ToT)

 

ミザリー

ミザリー

  • 作者: スティーヴン キング, スティーヴン キング
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1990/03
  • メディア: 単行本

ミザリー (特別編)

ミザリー (特別編)

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックスホームエンターテイメントジャパン
  • 発売日: 2007/07/27
  • メディア: DVD

 

 

◆◆◆◆

 

ところで、シアターアプルという劇場は新宿コマ劇場の地下にあります。
おかげで久々に夜の歌舞伎町を、しかも連休初日の土曜というすばらしい(?)タイミングで歩くことに。

いやはや、すんごい人でした! いったいどこから湧き出てきたのかと思うほど。
彼ら若者の年齢層に合わせて、通りに並ぶお店もほとんど若向き(でも怪しげ?)。
あと、黒服(&私服)のお兄さんたちが数メートルおきに立っているのも歌舞伎町ならでは。
あれはホストクラブか何かの客引きなんでしょうね~。
因縁つけられるのが怖くて、写真は撮れませんでした。あしからず。

シアターアプル

 


nice!(12)  コメント(25)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

nice! 12

コメント 25

さくママ

ミザリーってタイトルだけ知ってたんだけど、そんなに怖いって言われると見たくなるなぁ~w
結構、怖いもの見たさな感じ(^ー^;)
by さくママ (2007-10-08 16:49) 

Kimball

ふふ、話題の映画ということでミンポー放送で
やったのを観た覚えがありますが、(幸いにして?)
最後まで観ていませんでした!
(つまり、ラストは小生にも謎です)
-----
なは、怖い、というより、「イタ~い」んですよね?たしか?\(^o^)/
by Kimball (2007-10-08 18:52) 

びっけ

こんばんわ。
『ミザリー』のアニー役は、渡辺えり子(えり?)が、まさにピッタリだと思います!
私は映画を観ましたが、それほど怖くなかったですよ。
↑のKimball さんが書かれているように、痛い!んです!
確かに、ストーカー的なファン心理の怖さはあるけれど、ご覧になっても、怖くて夜眠れない!なんてことはないと思います。(笑)
>小日向さんは、檻に閉じ込められた動物の雰囲気が、じつによく似合う方
この文章に笑っちゃいました! チヨロギさんの表現、おもしろいです!
by びっけ (2007-10-08 20:06) 

ゆーじあむ

あっ、小日向さんだ(^^)

皆さん、ミザリーの「映画」は怖い怖い、と言うのはよく聞きますが・・・。
「原作」に比べると、屁でもありません(って、お下品Yuseum(^^ゞ)

Kimballさんの書いているように、まさにすごく「イタ~い」んです{{ (>_<) }}
もう、自分がポール・シェルダンになった気分(゜ロ)ギョェ

でも、これが怖いけど面白いんだ(・・)(。。)
さらに「物語内物語」構造になっていて、ポールの書く(というより「書かされる」)小説がまた面白いんですよ¢( ・・)ノ゜
これは映画では味わえない面白さです。
結構分厚い本でしたけど、深夜、4〜5時間くらい怖い思いしながらも、面白くて一気に読破しました!

キングの(原作映画はいくつか観たけど)小説は後にも先にもこれ1冊しか読んでないのですがf(^ー^;、
「なるほど! 確かにキングはスゴイ!!」
と唸らせるものがあった作品です。
是非、チヨロギさんも(痛い思いしながらw)読んでくださいませ(^^)
by ゆーじあむ (2007-10-08 20:17) 

たかち

観たことはないのですが、たかち脳には「ミザリー=恐い」がインプットされています。
キングの本の前はいつも素通りです(苦笑)
by たかち (2007-10-08 20:44) 

チヨロギ

◇さくママさん◇
怖い怖いと逃げていたら、「それほど怖くない」という頼もしいご意見が!
(from びっけさん)
どうします、さくママさん? ちょっと見てく?
私は遠慮しておきます・・・(この意気地なしー!>自分)
by チヨロギ (2007-10-08 22:22) 

チヨロギ

◇Kimballさん◇
そう、テレビでも放送していましたよね。もちろん観ていませんが(笑)
あちこち検索して「イタ~い」場面のことは調べてあったんですけど、
その「イタ~い」のあとがあるんです!
舞台用に書き加えたのかしら? と気になって気になって~^^;
by チヨロギ (2007-10-08 22:27) 

チヨロギ

◇びっけさん◇
渡辺えり(子)さんは、こういう役どころにもかかわらず
とてもチャーミングでした!
映画のほうはどうやら「怖い」よりも「痛い」作品なんですね?
昔、「ガマの油売り」が腕に刀を当てるのを見てぶっ倒れた私なので、
はたして最後まで観ていられるかどうか(-_-;)
あっ、渡辺えり(子)さんの陰に隠れがちですが(笑)、
小日向さんもはまり役でしたよ~♪
by チヨロギ (2007-10-08 22:32) 

チヨロギ

◇Yuseumさん◇
おっ、映画と原作と両方ご存知なのですね!
映画より原作のほうが描写が細かくて映像的、という評は
どこかで読んだことがあります。
「物語内物語」は、舞台でも部分的にはポールがアニーに読み聞かせますが、
やはり2時間半の枠に収めるという制約がありますから、
残念ながらかなり端折っているんでしょうね。
そこはぜひ原作で読んでみたいところです!
すると、ある種ハッピーエンド的な舞台の結末も、原作に近いのかしら?
でもでも、“痛い思いしながら”読む勇気が~~~~[壁]-;)コワイヨー
by チヨロギ (2007-10-08 22:34) 

チヨロギ

◇たかちさん◇
「たかち脳」と「チヨロギ脳」の回路はよく似ています!(笑)
とくに血が出るタイプの小説は、自主的にドクターストップなのです(T_T)
by チヨロギ (2007-10-08 22:35) 

スティーヴン・キング作! と言えば、ジョニー・デップ主演の(笑)、映画『シークレット・ウィンドウ』がそうですが、あまり怖くなかったです。
精神的におかしくなってしまった主人公の狂気、を描いた作品でした。
残念ながら、『ミザリー』のDVDは、まだなので観てみたいですね。
この作品は、二人とも精神的に病んでいるようですね。面白そう(笑)。
小日向さんと渡辺さんの共演とは、かなり期待出来そうな感じですね。
by (2007-10-09 00:32) 

took

怖そうですね~♪
でも僕も結末が気になります。
一度見てみたいかなぁ・・・
by took (2007-10-09 05:47) 

柴犬陸

シアターアプルは結構好きな劇場です、町の風情は別にしても。
私もホラーは超苦手、絶対観たくありません。
だから、チヨロギさんがこわごわ観た気持ちが手に取るように分かります。
私と違って、『ミザリー』が大好きな夫に結末を確認したところ。。。途中で耳をふさぎました。
ところで、この作品を観た理由の1番目、どんな芝居だったのか気になります。
by 柴犬陸 (2007-10-09 08:07) 

チヨロギ

◇saraさん◇
またしても出演作が? 恐るべし、ジョニー・デップ!(笑)
これまでスティーヴン・キングとはまったく縁がありません。
というより、あえて避けてきたわけですが(; ̄ー ̄A
「ミザリー」は映画と原作と舞台と、それぞれ少しずつ違うみたいですね。
映画はとても無理だけど、本は少し興味が出てきました。
でもやっぱり痛そう・・・(>_<)
小日向さんと渡辺さん、体型的にも凸凹コンビという感じで(笑)
とてもよくお似合いでしたよ~( ̄ー ̄)v
by チヨロギ (2007-10-10 00:32) 

チヨロギ

◇tookさん◇
舞台に限って言えば、思ったほど怖くありませんでした(^.^)
結末はどうやら映画とは違っている・・・のかな?
もしDVDをご覧になったら、内緒で教えてくださいね(笑)
by チヨロギ (2007-10-10 00:32) 

チヨロギ

◇柴犬陸さん◇
シアターアプル、私は初めて行きました(たぶん)。
少し古めかしい感じがして、独特の雰囲気の劇場ですね。
あっ、柴犬陸さんもホラーは苦手でしたかw
それなのに映画の結末を確認してくださって、ありがとうございます!
やはりあの痛い場面がラストなのですか・・・。舞台ではその続きがあります。
このシーンがあるせいで、二人の関係性がぐっと違って見えてくるんです。
ところで! 理由その1というのは、幸四郎の「シェイクスピア・ソナタ」です。
人にもよると思いますが、私の印象は惨憺たるものでした。
どうも岩松了+シェイクスピアという企画に無理があったのではないかと。
あのキャストで、カーテンコールさえなかったのですよ~(*_*)
by チヨロギ (2007-10-10 00:33) 

shikayu

スティーブン・キングはほとんど読みました(´▽`)
なにしろ怖い本が大好きだった高校~大学時代でございます(笑)
私の中ではこの方の話は怖いけどどこか悲しい・・
ミザリーは確かに怖いのですが、映画よりやはり本の方が心に残りますね(*^-^*)結末は・・・本では確かミザリーは死んで・・(笑)
キングの本では「ペットセメタリー」というのが未だに忘れられません、
というか考えさせられました・・本で泣いて、映画もすごく怖いのに涙が止まらないくらい切なかったです。
「どんな恐ろしいものになっていたとしても、戻ってきて欲しい」
家族の苦しい思いに、思い出しても泣けてしまいます(涙)(笑)
by shikayu (2007-10-10 14:41) 

流星☆彡

渡辺えり(子)さん&小日向文世さん共演ですから、誰にも誘われなくても(!)
観たい舞台でしたよ~ん!
原作は読んでない&TV放映された映画versionは 途中で寝てしまった…
私にしては珍しく(!?)知ったふりが出来ずに 3作品とも ぜひぜひ観たい
読みたい・・・作品なんです!
WOWOWで舞台version放映しないかな~!? あっ!そうそう♪『コンフィダント・
絆』←来月 WOWOWで放映しますネ♪ 最近、身体が“いまいち”だからか
舞台の映像放送を 安易に期待しがちになっってきた…婆で ありまする。(^^ゞ
シアター・アプル←大学生の頃 行った覚えが。。。在りましたよね。その頃から。
by 流星☆彡 (2007-10-10 22:33) 

チヨロギ

◇shikayuさん◇
おぉ! shikayuさんは怖い本にお強い方だったんですね!(笑)
 >私の中ではこの方の話は怖いけどどこか悲しい・・
キングへの印象、というか先入観が崩れてきそうな言葉です。
舞台版「ミザリー」のアニーも、単なる異常者という描かれ方ではないので、
不思議と共感を覚えるところもあるのです。
もちろん拷問には共感しませんが(笑)
本の結末は、そうですか・・・。舞台は違うんです。
でも、私はこの結末にかなり満足しています(^ー^)
キングの魅力をいろいろ教えてくださって、ありがとうございました!
by チヨロギ (2007-10-10 23:28) 

チヨロギ

◇流星☆彡さん◇
とりあえずキャストに惹かれますよね! 二人とも大好きな役者さんですから。
そっか、流星☆彡さんはホラーが平気なんだ~(⌒▽⌒;) (笑)
原作と映画と舞台と、ちょっとずつ内容が違っているらしいので、
全部観て/読んでくらべてみるのも一興かも。
最近はいろんな作品がWOWOWやNHK教育で舞台中継されますよね!
うちはWOWOWに加入していないので、どうしても観たいときは
親しいご近所さんに録画をお願いしているのです。ゞ( ̄∇ ̄;)ヲイヲイ
WOWOWもスカパー!みたいに月単位で契約できるといいんだけどな~。
シアターアプルは初めてだったんですが、座席のクッションや手すりの傷に
歴史の重みを感じました・・・。いつごろできたのかしら(・・?
by チヨロギ (2007-10-10 23:29) 

noric

渡辺えり様のパワーが好きです。
by noric (2007-10-11 17:51) 

チヨロギ

◇noricさん◇
ほんと、見ているこちらまで元気になってきますよね(^^♪
by チヨロギ (2007-10-11 22:51) 

チヨロギ

◇yutakamiさん、こちらにもnice!をありがとうございます^^
by チヨロギ (2007-10-13 11:06) 

柴壱

渡辺えり子さん、改名したんですね。
一昨日、「犯さん哉」を見て知りました。
芝居の中に、アドリブのようなセリフがあったのですよ。
「渡辺えり子が改名した~!」みたいな(笑)
「子」が取れただけで、あの豪快な雰囲気から一転、かわいい女性をイメージしてしまうのは、
私だけかしら?

ところで、「シェイクスピア・ソナタ」って、そんなに酷かったのですか?
迷ったんですよ・・・克実ファンとしては。
by 柴壱 (2007-10-19 01:53) 

チヨロギ

◇柴壱さん◇
改名が早くもネタになっていましたか(笑)
「子」がないだけで、がらっとイメージが変わりますよね!
「えり子」なら「さん」、「えり」なら「ちゃん」付けでしょう?(違う?)
いや、彼女を「ちゃん」付けで呼んでも一向に構わないのですが(笑)

「シェイクスピア・ソナタ」は、個人的にとても消化不良なお芝居でした。
みなさん芸達者なので、個別のシーンでは笑わせてくれるんですが、
それぞれの描き込みが浅くてキャラが立ってこないし、
たくさんのエピソードがとっ散らかったまま終わってしまった感じ。
シェイクスピア劇との絡みも、無理やりな印象が否めないのです。
岩松さんはきっとシェイクスピアが嫌いなんだろうなぁ。
うー、きりがないのでこの辺でやめておきますが(笑)
もし柴壱さんもご覧になっていたら、ご感想をぜひ伺いたかったです!
追伸:克実さんは、お世辞抜きによかったですよ♪
by チヨロギ (2007-10-20 12:11) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。