薪能「百萬」@相川春日神社 [theatre]
金山の町・相川で薪能を見ることになったのは、まったくの偶然でした。
家族が佐渡に行きたいと言うので、旅行社から佐渡のパンフレットをかき集めてきたら、
その一枚に小さくこんな文字が。
●おすすめの相川イベント:春日神社薪能……6/20(土)
ちょうど20日から佐渡に2泊する予定を立てていたのです。
これはもう、「相川に行け」という天の声にちがいない。そうに決まってます。(←強引)
そんなわけで、旅行を申し込んでからすぐに薪能の事務局に電話して、チケットを予約したのでした。
◆
15世紀に世阿弥が配流されたことや、17世紀に初代佐渡奉行が能楽を奨励したこともあって、
佐渡では庶民の生活の中に能が浸透しているのだそうです。
6万5千人の人口に対して、能楽堂が30以上。
実際、島内を車で移動する途中、いくつも能楽堂を見かけました。
宝生流の能を習っている伯母に聞いた話では、佐渡の人は素人とは思えないほど巧いんだそうで。
といっても、ろくに能を知らないわたしには、上手下手が判断できないんですけど( ̄ー ̄;
この日訪れた相川の春日神社は、佐渡の能の発祥の地。
だんだん衰退して能舞台もなくなっていたのを、地域の人たちの熱意により、
民間の助成金と「瓦1枚運動」の寄付金を得て2006年に再建にこぎつけたとのこと。
そのせいかスタッフの人たちも、集まるお客さんたちも、どこかアットホームな雰囲気でした。
演目は第一部が佐渡の郷土芸能いろいろ、そして第二部が薪能「百萬」。
吉野の男が途中で拾った幼子を連れて嵯峨の寺を訪れると、百萬という狂女が現われます。
生き別れたわが子を捜し求め、神仏に舞を捧げる百萬。
幼子は彼女が自分の母であると気づき、それを聞いた男が二人を引き合わせると、
百萬は正気に戻って喜び、親子連れ立って奈良の都へ帰っていく・・・というお話です。
会場入り口では、音声ガイドを無料で貸し出してくれます。内容は今日の演目「百萬」の解説。
舞台の前は芝生になっていて、前方にゴザ席、その後ろに椅子席があります。
日がとっぷりと暮れるころ、開演。
第一部は相川音頭とか佐渡おけさとか、郷土芸能の部。
海謡会(観世流)による仕舞「松風」と、なんともユーモラスな神事芸能「つぶろさし」。
第二部は羽茂・昭諷会(宝生流)による能「百萬」。幼子の役は、子どもが演じています。
声も滑舌もいいし、かわいかったなぁ。
シテ、百萬登場。能面をつけていても、言葉がはっきり聞きとれるのはさすがです。
かがり火が闇を照らし、ときおり薪がはぜる音を聞きながらの約1時間半。
幽玄の世界をたっぷり堪能しました。
春日神社能舞台・公式サイトはこちら。→http://kasugajinja.com/
家族が佐渡に行きたいと言うので、旅行社から佐渡のパンフレットをかき集めてきたら、
その一枚に小さくこんな文字が。
●おすすめの相川イベント:春日神社薪能……6/20(土)
ちょうど20日から佐渡に2泊する予定を立てていたのです。
これはもう、「相川に行け」という天の声にちがいない。そうに決まってます。(←強引)
そんなわけで、旅行を申し込んでからすぐに薪能の事務局に電話して、チケットを予約したのでした。
◆
15世紀に世阿弥が配流されたことや、17世紀に初代佐渡奉行が能楽を奨励したこともあって、
佐渡では庶民の生活の中に能が浸透しているのだそうです。
6万5千人の人口に対して、能楽堂が30以上。
実際、島内を車で移動する途中、いくつも能楽堂を見かけました。
宝生流の能を習っている伯母に聞いた話では、佐渡の人は素人とは思えないほど巧いんだそうで。
といっても、ろくに能を知らないわたしには、上手下手が判断できないんですけど( ̄ー ̄;
この日訪れた相川の春日神社は、佐渡の能の発祥の地。
だんだん衰退して能舞台もなくなっていたのを、地域の人たちの熱意により、
民間の助成金と「瓦1枚運動」の寄付金を得て2006年に再建にこぎつけたとのこと。
そのせいかスタッフの人たちも、集まるお客さんたちも、どこかアットホームな雰囲気でした。
演目は第一部が佐渡の郷土芸能いろいろ、そして第二部が薪能「百萬」。
吉野の男が途中で拾った幼子を連れて嵯峨の寺を訪れると、百萬という狂女が現われます。
生き別れたわが子を捜し求め、神仏に舞を捧げる百萬。
幼子は彼女が自分の母であると気づき、それを聞いた男が二人を引き合わせると、
百萬は正気に戻って喜び、親子連れ立って奈良の都へ帰っていく・・・というお話です。
会場入り口では、音声ガイドを無料で貸し出してくれます。内容は今日の演目「百萬」の解説。
舞台の前は芝生になっていて、前方にゴザ席、その後ろに椅子席があります。
日がとっぷりと暮れるころ、開演。
第一部は相川音頭とか佐渡おけさとか、郷土芸能の部。
海謡会(観世流)による仕舞「松風」と、なんともユーモラスな神事芸能「つぶろさし」。
第二部は羽茂・昭諷会(宝生流)による能「百萬」。幼子の役は、子どもが演じています。
声も滑舌もいいし、かわいかったなぁ。
シテ、百萬登場。能面をつけていても、言葉がはっきり聞きとれるのはさすがです。
かがり火が闇を照らし、ときおり薪がはぜる音を聞きながらの約1時間半。
幽玄の世界をたっぷり堪能しました。
春日神社能舞台・公式サイトはこちら。→http://kasugajinja.com/
こんにちは^^
佐渡ですね。
> これはもう、「相川に行け」という天の声にちがいない。そうに決まってます。(←強引)
そそ、そういう時はそうなんだと思いますよ。
その時慎重になりすぎると、行かない理由がいっぱい思いつくもんなんです。
行き当たりばったり的でも、『これはちょっと違うぞ』と心のどっかに引っかかりがあるもんですよー。(でしょ?)
ガマンすると「行けばよかった~」あとで後悔するってことが・・・たくさんあった^^;
>かがり火が闇を照らし、ときおり薪がはぜる音を聞きながらの約1時間半。
>幽玄の世界をたっぷり堪能しました。
すばらしいですね。
相変わらずの素晴らしい記事のしめくくり^^。
ところで佐渡のどこか忘れましたが、お土産店にジェンキンスさんがいらっしゃるそうですね。やはり先月に佐渡に行った同僚が話していました。^^;
by そーすけ (2009-06-26 13:25)
貴重な体験をされましたね。
にしても-。
何故に「薪能」はいつも暑い時に上演されるのでしょう???
by 向日葵 (2009-06-26 15:18)
いいなぁ、幻想的な時間と空間だったのでしょうね。
うっとりしちゃう・・・。(*´◇`*)ポワァン
by きむたこ (2009-06-26 15:43)
こんなに生活に溶け込んでる薪能というのはスゴいですね。
話には聞いていましたが、観に行ってみたいです。
能は家内のむかしの趣味でして、家内の案内でなんどか観ましたが、ここ10数年はごぶさたです。
by cocoa051 (2009-06-26 16:03)
佐渡には浅からぬ縁があるのですが、
能舞台は一昨年のツアーで初めて観ました。(この神社ではなかったですが。)
ストーリーも分かりやすく、演ずる人が素人とは思えないほどの巧みさでした。
私の場合は日差しががんがん照りつける中での鑑賞でしたが、
薪能は、また別の雰囲気が醸し出されていますね。
こういう「天の声」なら、良いですね^^;
by 柴犬陸 (2009-06-26 18:19)
薪能鑑賞のために佐渡まで遠征したのではなかったんですね。
偶然とはいえ、いい経験ができてラッキーでしたね。
最近、「ライブ」の良さをいろいろ感じているところなので、
薪能も、間近で見てみたい芸術のひとつです。
ところで、お天気はいかがでしたか?
テレビなんかで、冬の荒れ狂う日本海の映像を何度か見せられて
あれを船で越えていく勇気はない、と言って
佐渡は、なかなか行けずにいる場所です。
宝箱、いただいていきます(*^_^*)
by 柴壱 (2009-06-26 21:06)
ここ数年、室町時代の文化に秘かに関心を示しているYuseum。
(といっても、詳しいことは全く知らないのですがw)
こういう伝統郷土芸能が廃れることなく、地域の人たちの支援で受け継がれていくのは素晴らしいですね。
by Yuseum (2009-06-26 21:10)
薪能を観られたんですね。
素人の方が演じているとは思えない、なんか本格的ですね。
日が暮れてからの野外での鑑賞、気持ち良さそうです。
日本海の美味しいお魚料理、食べて来たんだろうなぁ。
by ゆううこ (2009-06-26 22:35)
レポート、お疲れ様でございました~~(>▽<)ノノ~☆
こちらにも伝わって来ました~。
郷土芸能を伝える地元の方々、その心意気にアツいものを感じずにはいられませんでした。
夕闇の中で行われる薪能はまさに、「幽玄の世界」といった風なのでしょうねぇ。
―――そういえば何年か前、新宿御苑で行われるという薪能のポスターをどこかで見たような気がします…。
by yukky (2009-06-27 02:24)
何かに導かれるように、薪能をご覧になったのですね。
それはもう、御縁なんでしょうね^^
薪能の雰囲気、いいですよねぇ。
昔の人たちもきっと、こんなふうにして能を見ていたんだろうなぁ・・・なんて思いを馳せると不思議な気持ちになりますね。
by aya (2009-06-27 12:11)
◇今造ROWINGTEAMさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2009-06-27 20:43)
◇漢さん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2009-06-27 20:44)
◇そーすけさん◇
こんばんはv
お褒めの言葉をありがとうございます。どんな木でも登れそうな気がしてきました♪
そーすけさんも、天の声には素直に従うタイプでしょうか?
> 『これはちょっと違うぞ』と心のどっかに引っかかりがあるもんです
そうそう! そんなときは行っちゃったほうがいいですよね。
もちろんハズレもありますけど、それはそれでネタとしてはおもしろいし。ゞ( ̄∇ ̄;)ヲイ
予定をかっちり決めてしまうと、天の声が入り込む隙がないので、
いつも旅行のスケジュールはスカスカのゆるゆるです(>▽<;
> お土産店にジェンキンスさんがいらっしゃるそうですね
らしいですね! 私は残念ながらお目にかかれませんでしたが。
町で「ジェンキンスさん看板」を見つけたので、別記事で写真を載せますね。
by チヨロギ (2009-06-27 20:45)
◇向日葵さん◇
楽しい夜でした。
> 何故に「薪能」はいつも暑い時に上演されるのでしょう???
寒い冬は野外だと、かなり厳しいと思います。とくに桟敷席は凍えそう(((=_=)))
by チヨロギ (2009-06-27 20:46)
◇きむたこさん◇
まだ明るいときに見た能舞台とは、別世界のようでした。
あと、かがり火の匂い。いい匂いだったなぁ♪
by チヨロギ (2009-06-27 20:47)
◇cocoa051さん◇
かつては能舞台が200もあったそうで、まさに佐渡は「能の島」ですね。
春から秋にかけて、島内各地でたくさんの能が上演されるようです。
奥様とご一緒に、ぜひ!
by チヨロギ (2009-06-27 20:47)
◇柴犬陸さん◇
別の能舞台でご覧になりましたか。
佐渡にはたくさん能舞台があるので、よりどりみどりですよね(^.^)
春日神社の能舞台は最近移築されたもののようで、比較的新しいです。
このようなイベントでは、「羽衣」などのわかりやすい演目が多いそうですね。
「百萬」も、私のようなまったくの初心者でも楽しめる、親しみやすい内容でした。
薪能は、以前から一度観てみたいと思っていましたが、
まさか佐渡で観ることができるとは。ほんとに運がよかったですv
by チヨロギ (2009-06-27 20:48)
◇柴壱さん◇
佐渡旅行を考えたとき、薪能のことは全然頭にありませんでした。
たまたまこの日に公演が重なったおかげで、いい想い出ができました。
係の人も親切だし、お客さんもちょっと夕涼みに来たような気軽さで。
そうそう、旅館の浴衣のまま観に来たお客さんも・・・(笑)
> 冬の荒れ狂う日本海の映像
日本海といえば、そういうイメージですよね。私も同じでした。
でも全然違うんです。季節がいいせいか、風景がのどかで明るくて。
新潟からフェリーを利用したんですが、「ほんとに動いてるの?」って疑いたくなるぐらい、
とても穏やかで快適な船旅でした。柴壱さんもぜひ♪
宝箱、当たるといいですね! おたがいに(笑)
by チヨロギ (2009-06-27 20:49)
◇Yuseumさん◇
室町時代にご興味が? すると能楽・狂言は避けて通れませんねv
(ちなみに私も全然詳しくありません...( ̄ー ̄;)
この再建された能舞台に、地域の人々の誇りを感じました。
豊かであるとはこういうことなんですね。
by チヨロギ (2009-06-27 20:50)
◇ゆううこさん◇
男の人は、お酒が入ると謡が始まるんだそうです。しかもそれが巧いんだとか。
佐渡ってすごいところだなあと思いました。
野外で観る舞台は初めてでしたけど、開放的で気持ちよかったです♪
お魚料理は、また別の記事でご紹介しますね(o ̄ー ̄o)
by チヨロギ (2009-06-27 20:50)
◇amaneさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2009-06-27 20:51)
◇yukkyさん◇
どもども、ありがとうございますー☆
この能舞台の再建には、神社の施設なので行政の補助金が出なかったそうです。
みんなで寄付金を集めて実現した、ほんとに手づくりの能舞台なんですよね。
緑の多い新宿御苑での薪能、どんな感じかな? 都内だと増上寺も有名ですよね。
by チヨロギ (2009-06-27 20:51)
◇春分さん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2009-06-27 20:52)
◇ayaさん◇
「御縁」っていう言葉、いいですね。
こういう御縁は大切にしたいものです。
薪能はなんといっても、かがり火がステキでした。
時々火の粉や灰が降ってくるのも、アウトドアな感じでいいですよねv
by チヨロギ (2009-06-27 20:54)
佐渡までお越し頂き有難うございました。
今後ともよろしくお願いします。
薪能レポートありがとうございます。
by 佐渡観光協会 (2009-06-28 13:09)
旅行先で郷土芸能を観るなんてステキですね~~♪
能って音声ガイドがないと難しいですか?
by たかち (2009-06-28 22:02)
◇佐渡観光協会さま◇
ご訪問、コメントをわざわざありがとうございます。
拙いレポートで、薪能の魅力が少しでも伝わればいいのですが。
今回、行く先々でとても親切にしていただき、感謝しております。
風景もすばらしいし、佐渡はほんとうにいいところですね。
by チヨロギ (2009-06-28 23:12)
◇いっぷくさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2009-06-28 23:13)
◇greensさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2009-06-28 23:14)
◇eternityさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2009-06-28 23:15)
◇たかちさん◇
いい経験ができました~(´▽`)
屋内の能楽堂で観るよりカジュアルというか、開放感があるというか。
こういう一般向けのイベント的な能は、内容のわかりやすい演目を選ぶので、
あらすじさえ読んでおけば音声ガイドなしでもOKですよv
by チヨロギ (2009-06-28 23:15)
◇きゃびさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2009-06-29 23:30)
◇メイさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2009-06-29 23:31)
◇くまさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2009-06-29 23:32)
薪能いかがでしたか〜? 私の場合は、地元の隣町の薪能が有名なのですが、近過ぎて行かずじまいなんです。一度は見たいと思っているのですが・・。
あ、そうそう。7月からは日曜日が何と公休日になったので、行けるかも・・☆
佐渡と言えば、カニですが、時期的にどうでしたか? 私は、食い気ばかりですみません(笑)。妹が佐渡に行った時、カニ足をどっさり送ってもらったものですから。
by sara (2009-06-30 21:30)
素敵ですねぇ~☆:*・゚(●´∀`●)ホェ:*・゚
鳥肌がたっちゃいそうです♪
by janvierm (2009-07-01 00:30)
◇yuki999さん◇
はじめまして。ご訪問ありがとうございます。
by チヨロギ (2009-07-01 01:14)
◇エイジさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2009-07-01 01:14)
◇saraさん◇
近いと意外に見そびれるものですよね。わかります~。
私も都内で見るチャンスはいくらでもあったのに、やっと今回が初鑑賞でしたから( ̄ー ̄;
でも、見てよかったです。saraさんもぜひ地元の薪能にお出かけくださいませv
カニは寒い時期がシーズンなので、今回は全然出ていませんでした。残念!
by チヨロギ (2009-07-01 01:19)
◇janviermさん◇
楽しい夜遊びでした♪
またタイミングが合ったら見てみたいです。
by チヨロギ (2009-07-01 01:19)
佐渡・相川は母親の実家があったところなので
小学生のころは毎年行っていました。\(^o^)/
はは、でも、おガキのころに興味のあることといえば、
海遊び(砂浜じゃなく岩場)だけで観光地巡りは
あんまりしなかったのが残念です。(T_T)
あ、でも、佐渡金山に行ったことがあります。
当時は金山内巡回コースもところどころ岩肌そのままで、
いまみたいに全部コンクリートの整備されているキレイな
コースじゃなかったのが、かえって良かったのですが...\(^o^)/
いつか、いちどは鑑賞してみたいです、お能...(T_T)
by Kimball (2009-07-12 18:24)
◇Kimballさん◇
お母様のご実家が相川に?
Kimballさんにはとても思い出深い場所なんですね。
そうそう、海岸線は岩場ばかりで、砂浜はほとんど見かけませんでした。
海がキレイだったなぁ( ̄ー ̄)
佐渡金山、私も行ってきました!
2コースあるうちの1コースだけですが、想像以上におもしろかったです。
岩肌むき出しの昔のコースも雰囲気満点でしょうね。
薪能もすばらしかったです。機会がありましたらぜひ!
by チヨロギ (2009-07-13 01:03)