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ムサシ@彩の国さいたま芸術劇場大ホール [theatre]

上演期間が長いから、まだいいやと後まわしにしていたら、観劇から3週間以上経ってしまいました。
いかん、忘れてきてる・・・・・Σ( ̄⊥ ̄lll)・・・・・

藤原竜也と小栗旬の共演で話題のこまつ座「ムサシ」、3月に観てきたんです。

楽しかったですよ~♪
歴史劇で、コメディで、ファンタジーで、青春劇。
吉川英治の『宮本武蔵』を読んでない人(わたしのことです)でも、物語にすっと入り込める間口の広さ。
井上ひさしって、すごいや。

[data]
作:井上ひさし (吉川英治『宮本武蔵』より)
演出:蜷川幸雄
音楽:宮川彬良
出演:藤原竜也、小栗旬、鈴木杏、辻萬長、吉田鋼太郎、白石加代子、大石継太、ほか
公演日程:2009年3月4日~2009年4月19日
上演時間:第1部1時間45分、休憩15分、第2部1時間35分



公演パンフレットより



物語は、宮本武蔵(藤原竜也)と佐々木小次郎(小栗旬)の決闘の後日談という設定になっています。
小次郎がじつは生きていて、鎌倉の禅寺にいる武蔵をついに探し当て、ふたたび決闘することに。

寺には沢庵和尚(辻萬長)と僧侶の平心(大石継太)、徳川家の兵法指南役・柳生宗矩(吉田鋼太郎)、
それに大檀那の木屋まい(白石加代子)と筆屋乙女(鈴木杏)も集まり、
ちょうど寺開きの参籠(=寺に泊り込んで祈願する修行)が始まろうとしています。
参籠が明ける3日後が決闘の日。
その間、なんとかふたりの決闘をやめさせようと、5人が奇想天外な手を使ってくるわけです。

たとえば、沢庵和尚や柳生宗矩が発案する摩訶不思議な修行。
たがいの足を縛って五人六脚を始めたり、剣術の稽古をしているはずが全員でタンゴを踊っていたり。
ベタなコントだな~と思いつつ、笑いっぱなしです。

能楽の使い方もうまい。
舞台となっている禅寺の造りがまるで能舞台なんですが、柳生宗矩が無類の能好きで、
ちょっと油断するとすぐ能を舞いだしてしまう、それが滑稽そのもの。
もと猿楽の舞手だったという木屋まいが見せる舞狂言「蛸」も、
料理して食べられちゃったタコの幽霊が成仏を願うという、なんとも珍妙なお話。
でも、あとでわかるんですが、これにはちゃんと意味があるんです。

それから、親の仇討ちをしたいといって武蔵と小次郎に剣術を習いだした筆屋乙女が、
結局は仇を赦すことで、恨みの鎖を断ち切る尊さを説く場面。
このあたりから後半に向かって、報復は無意味だというメッセージがだんだんあからさまになっていき、
ちょっとくどいかな・・・と思いはじめたところで、筆屋乙女のセリフにはっとします。

(雷鳴がとどろくなかで)「あの音は苦手でした、私が生きていたころから」

能を多用したのは、こういうわけだったのか。
能楽堂の形をした寺は、まさに幽玄の世界だったと。
やられました。

吉田鋼太郎を筆頭にベテラン陣がしっかり笑いをとるなかで、
主役の藤原竜也と小栗旬には華があり、作品のテーマを体現するだけの存在感がありました。
こっちが照れてしまうほどにストレートな「生きろ!」というメッセージは、
まだ人間として役者として生意気盛りな彼らが演じてこそ、胸に響くものがあったと思うんです。

あと、最近の蜷川作品には欠かせない大石継太、今回も大活躍。
なのに、こまつ座のサイトにもホリプロのサイトにも名前がないのはどーいうわけなんでしょう?
ラストの平心のセリフ、彼のよく通る高音が、まだ耳に残っているというのに。


彩の国さいたま芸術劇場



大ホール入り口



今回はグッズも買ってしまいました。

これ!



鞘を抜くと・・・。



耳かきでございますw



よーく見ると、小さく「MUSASHI」の文字。
まあ、それだけのことですが(笑)


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コメント 38

たかち

これも面白そうですね!
やっぱ、仕事場は都内の方がいいなぁ~。そーすれば仕事帰りに観劇できるよな~。家から車で10分も捨てがたいけど、アフター5の充実感が(苦笑)

種、無事に届いて良かったですo(^o^)o
今年の子達の種の収穫が出来なくても、花が咲いて和みになれたら幸いです♪
by たかち (2009-04-14 23:12) 

チヨロギ

◇ハーボット好きさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2009-04-15 00:14) 

チヨロギ

◇たかちさん◇
おもしろい芝居でしたよ♪
いやいや、たかちさんのアフター5のほうがずっと充実してるじゃないですか~!
それと、さいたま芸術劇場は遠くて、さすがに仕事帰りには行けません( ̄ー ̄;

このたびは元気そうな種をありがとうございました!
ぷくっとした種を見てるだけで、もう和んじゃってますv(←早っ)
by チヨロギ (2009-04-15 00:14) 

柴犬陸

欲張って2回観ましたが、少しも飽きずに楽しめました。
座席が、上手と下手の違いがあり、それがまた違う印象を与えてくれました。
テーマは痛いほどに伝わりましたね。
これでもか、これでもか、といった具合に強く。
それが井上作品の特色でもあるのでしょうが。
適材適所を思わせる魅力的なキャストで、彼らの演技力にも感嘆しました。
当たり前でしょうが、誰も声を潰していないし、カツゼツも良かったですね。
チヨロギさんが注目された大石継太さん、ニナガワスタジオ出身のようですが、緊張するシーンでの長ゼリフ、見事でした。
もう1回観てもいいかなぁって^^;
by 柴犬陸 (2009-04-15 01:24) 

きむたこ

す、す、すごい耳かきだ・・・。
コレ使ったら、耳から血がタラリーなんてことは・・・、ないか。(爆

久しぶりにオトコマエを見た気が。(笑
by きむたこ (2009-04-15 04:12) 

ゆううこ

なんて素敵なキャスティング~
チヨロギさんの説明だけでも十分に面白さが伝わりましたぁ。

お土産の耳かき欲しい~(doll用にw)
by ゆううこ (2009-04-15 11:31) 

Bacchus

こんにちは。
宮本武蔵(藤原竜也)と佐々木小次郎(小栗旬)は
合っていますね、豪華です。
でもこの二人が揃うと何でも人気が出そうですね(^^;
by Bacchus (2009-04-15 16:33) 

みなみー

 ̄_ ̄)-* ミミカキホジホジ
妙に食いついてしまいました!
欲し~~~~~い!
だから観に行きたい。
   うそ。
若さが光ってて、エネルギーが吸い取れそうな芝居ですね。
「生きてやる!」
って思わず答えそうな感じを受けました。
by みなみー (2009-04-15 17:55) 

Yuseum

Yuseumは耳かき、使ったことないんですよw
専ら綿棒派で(^_^;)\(・_・)
現在、外耳道炎だったりします(´Д`υ)))

by Yuseum (2009-04-15 19:03) 

いっぷく

藤原竜也という人ロンドンで見かけました、
芸能界にうとい私でもわかりました。

耳かきとは意外性ありですね。
by いっぷく (2009-04-15 20:17) 

amane

耳かき おもしろーい(o^∇^o)ノ 
藤原竜也さんは なかなかの役者さんですよね!
by amane (2009-04-15 21:26) 

janvierm

なんてイケメン揃いな( ̄¬ ̄*)じゅるぅ
お話を聞くと考えさせられそうなお芝居ですね・・・・

しかしwこのグッズが良いですねぇ~♪

by janvierm (2009-04-15 22:25) 

チヨロギ

◇柴犬陸さん◇
むちゃくちゃうらやましいです~、2回も観られるなんて。
ストーリーがわかった上で観ると、また違う発見がありそうです。
テーマはくどいほどに訴えてきましたね。
あの部分が、観客の好みの分かれるところだろうなと思います。
ただ、夭折した脚本家(でしたよね?)が創作した筋書きなのだと思えば、
わかりやす過ぎるのもアリかな、という気がしてきました。
キャストはよかったですね~! 初めて観た鈴木杏の安定感も抜群でした。
大石継太さんはお茶目ながらも、けっこう重要な役どころでしたよね?
どうして名前が出ないんだろう(・・?
 > もう1回観てもいいかなぁって^^;
陸さん! いくらなんでもそれは・・・。( ̄ー ̄;)ゞ私に譲ってくださいっ(爆
by チヨロギ (2009-04-16 00:45) 

チヨロギ

◇きむたこさん◇
ひぇぇぇ~耳から血が![壁]-;)コワイヨー
使うのがオソロシクなってきた・・・。

二人ともオトコマエでしたよ~♪
舞台から客席の通路へ竜也くんが走ってきたとき、
(はぁ・・・)って、観客のハート色のため息が聞こえましたもん(笑)
by チヨロギ (2009-04-16 00:47) 

チヨロギ

◇向日葵さん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2009-04-16 00:47) 

チヨロギ

◇greensさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2009-04-16 00:48) 

チヨロギ

◇ゆううこさん◇
もうね、眼福でしたよぉ~(o ̄ー ̄o) ムフ
内容はギャグ満載だし、舞台のセットとか照明とかもステキでした。
あっ、たしかに耳かきはぴったりな大きさかも!
袴とか持ってます? いっそ忍者装束でもいいけど(笑)
by チヨロギ (2009-04-16 00:49) 

チヨロギ

◇Bacchusさん◇
こんばんはv
落ち着きのある藤原武蔵と若々しい小栗小次郎は、まさにハマリ役でした。
おかげでたっぷりと目の保養が・・・♪
何をやらせても人気でしょうけど、実力のある俳優さんたちなので、
やっぱりいい作品に出てほしいと思いますね(^.^)
by チヨロギ (2009-04-16 00:50) 

チヨロギ

◇みなみーさん◇
たとえ耳かき目当てでも、行って損はありませんよ~(笑)
若手もベテランもそれぞれの持ち味を発揮して、チームワーク抜群という感じでした。
武蔵と小次郎の関係が次第に変化していくのも自然な流れで描かれていて。
すがすがしいエンディングでした( ̄ー ̄)
by チヨロギ (2009-04-16 00:50) 

チヨロギ

◇Yuseumさん◇
なるほど、綿棒派でしたか~。
ちなみに私はいままで、「耳かき綿棒」を使ってましたw
外耳道炎?! ひょっとして耳のかきすぎでしょうか?( ̄ー ̄;
お大事に!
by チヨロギ (2009-04-16 00:51) 

チヨロギ

◇いっぷくさん◇
藤原竜也くん、ロンドンでも目立っていましたか?
舞台で見ても華があって、かっこいいです(o ̄ー ̄o) ムフフ
耳かき、ちょっとおもしろいグッズでしょ?
by チヨロギ (2009-04-16 00:52) 

チヨロギ

◇amaneさん◇
そうですね、藤原竜也くんの演技は安心して観ていられます。
耳かき、なかなかなアイディアですよねv
by チヨロギ (2009-04-16 00:52) 

チヨロギ

◇janviermさん◇
まさに眼福でございました♪
ストーリーには今日的なテーマも盛り込んでありましたが、
どんでん返しもあっておもしろく、3時間半があっという間でした。
耳かき、遊び心がありますよねw
by チヨロギ (2009-04-16 00:53) 

柴壱

人気若手俳優のチャンバラ劇はいかがでしたか~!!
っていうか、予想通り(?)いわゆるチャンバラシーンは、ほとんどなかったですよね。
今をときめく二枚目俳優に、こんな「ドリフか吉本新喜劇か」ってドタバタやらせて
いいのか、って感じで。
あの二人に、ドタバタをやらせてしまうところが、元コント作家の井上さんらしいな
と思いました。

耳かき、ふふふ、私も買おうか迷いました。
というか、「藪原」の時にも買ったんですよ、杖形の。
でも、この耳かき、実用しても良し、記念品として取っておくも良し、
ちょっとしたお土産にしても良し、で、なかなかのアイディアですよね。
楽日に、まだ売ってたら買ってこよう、っと。
ところで、公演プログラムは、黒版、白版、どちらをお求めになりました?
両方・・・とか(笑)

大石さんの件、想像するに、当初キャスティングされてなくて、本が進む上で急遽決まったので、
公式HPに載せていないのでは・・・たぶん。
これが、超メジャー級の俳優さんなら、間違いなくHPを更新するところだけど
失礼ながら、ビミョーな位置なので、コストをかけてまで更新していないのでは・・・たぶん、たぶん。
私の中では、この1~2年で、大石さんの舞台を何本か見て、結構好きだし、
これからも楽しみな俳優さんの一人なんですけどね。
by 柴壱 (2009-04-16 12:59) 

チヨロギ

◇柴壱さん◇
よかったですー、チャンバラシーンがなくて!
じつはチャンバラって大の苦手なんですもの~ゞ( ̄∇ ̄;)ヲイヲイ(笑)
イマドキの若い人はもともとお笑いのセンスがあるし、鍛えられてもいると思うので、
コントなシーンは全然違和感なかったです。
むしろ、井上さんにもっと悪ノリしてほしかったくらい( ̄ー+ ̄)

公演記念Tシャツとかは高くて、着る場所もないから買いませんけど、
耳かきは値段もお手ごろだし、いいお土産になりますよね。
「藪原」の杖形の耳かき、ぜひ見せていただきたかったなぁ。
プログラムはどっちだったかしら? いま人に貸していて、手元にないんです。
私が行った日は1種類しかなかったので、たぶん人気がないほうの色だと思います(笑)

柴壱さんのおっしゃるように、大石さんは急に決まったキャストなんでしょうね。
つまり、早く本を書き上げなかった井上ひさしさんに重大な責任が・・・。
というのは冗談ですけど、チラシを刷りなおすわけじゃないし、
HPに名前を一行足すぐらい、たいしてコストかからないのになぁ。
私も大石さんが出ている蜷川さんの舞台を3本ほど観ました。
経歴を見たら、三谷さんの「新選組!」にも出たようなんですけど、
こちらはまったく記憶になくて・・・不覚!(>▽<;;
by チヨロギ (2009-04-16 23:23) 

チヨロギ

◇エイジさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2009-04-18 01:05) 

チヨロギ

◇yutakamiさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2009-04-18 23:30) 

チヨロギ

◇Morimoさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2009-04-18 23:34) 

sara

「ムサシ」、豪華キャスティングですね〜☆ 見応えがありそうです。(^^)
>歴史劇で、コメディで、ファンタジーで、青春劇。
これは、とっても楽しそうなお芝居ですね。でも、3月の公演でしたかぁ、残念。
刀型の耳かき、というのもユニークで♪ チヨロギさん、お土産チョイスバッチリ!

by sara (2009-04-19 00:19) 

チヨロギ

◇saraさん◇
はい、とっても見ごたえがありました!
若手3人も含めて演技力の確かなキャストだったので、心から楽しめました。
井上ひさしさんの脚本もよくできていて、すごく笑ったし、メッセージが胸に響きました。
耳かき・・・たまにはこんなグッズもいいですよね(笑)
by チヨロギ (2009-04-21 00:04) 

チヨロギ

◇shinwaさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2009-04-21 00:06) 

チヨロギ

◇うきさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2009-04-21 00:06) 

Kimball

井上ひさしさんは、
戯曲ひとつ書くのに、100~300冊の本を読み、
年表と地図を作成するのだとか...

いま読んでいる松岡正剛さんの「多読術」(p.178)に
書いてありました!\(^o^)/
by Kimball (2009-04-21 23:55) 

チヨロギ

◇Kimballさん◇
井上ひさしさんの執筆前の取材量は、それはもう膨大なものだそうですね~。
その蔵書の一部を寄贈して生まれたのが、山形の遅筆堂文庫です。
「ムサシ」もきっとそうだったと思いますが、彼の演劇にかけるエネルギーと情熱には頭が下がります。

松岡正剛さんは有能な編集者というイメージが強くて、著作はあまり読んだことがありません。
おもしろそうな本ですね。ご紹介ありがとうございました(^.^)
by チヨロギ (2009-04-22 03:36) 

チヨロギ

◇さくママさん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2009-04-23 23:42) 

aya

「ムサシ」私も見てきました。
素晴らしいエンターテインメントに仕上がっていましたね。
本番ぎりぎりまでホンが上がらなかったのに、初日には素晴らしい完成度だったそうです。
さすが、プロ集団だなぁ・・・と感心しきり。
小栗さんの「皇位継承権18位ー!」ってネタが好きでした(笑)
未だに思い出して、ふふふ、と笑ってしまいます^^
by aya (2009-05-01 14:03) 

チヨロギ

◇ayaさん◇
おもしろかったですね、ムサシ。
 > 本番ぎりぎりまでホンが上がらなかったのに、初日には素晴らしい完成度だった
そうでしたか。実力派がそろっていたとはいえ、きっちり仕上げてくるところはさすがですね。
小栗くん、ああいうシーンではとくに生き生きしていたような気がします(笑)
いつか再演してくれないかなあ。(気が早い?)
by チヨロギ (2009-05-03 01:41) 

チヨロギ

◇漢さん、nice!ありがとうございます。
by チヨロギ (2009-05-09 12:16) 

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