「ALWAYS 三丁目の夕日」 [cinema]
昨日は、前から「絶対観る!」と勝手に宣言していた映画、『ALWAYS 三丁目の夕日』を観てきました。
原作は小学館・ビッグコミックオリジナルで1974年から連載されている『三丁目の夕日』。昭和30年代の東京の下町を舞台に、人情味あふれる日本の風景を独特のタッチで描いたものです。学生のころ、人に借りて何回か読んだ記憶があるけど、連載開始から30年以上経ったいまも連載中とはびっくり!
この映画で話題なのが、昭和33年の東京の町並みを再現したCG映像。
昭和33年というのは東京タワーが竣工した年で、少しずつ立ち上がっていくタワーが、物語の舞台となる夕日町三丁目の遠景にいつも見えています。この東京タワーはもちろんのこと、大通りを走る都電や上野駅の外観・構内、町を歩く人々に至るまで、あらゆる場面でふんだんにCGが使われているようです。
ただ、個人的な印象は、「本物と見分けがつかないほどの精巧な技術に感心した」というのとは少し違います。むしろ、ここに映っているさまざまなモノが作り物だということは、冒頭のヤモリのシーンから強く意識させられました。その「作り物感」は最後までずっと消えないのだけれど、だからこそ作り手の想いとか世界観が純粋に伝わってきて、作品世界に心地よくひたることができたような気がするのです。
三流小説家の吉岡秀隆さんから氷屋のピエール瀧さんまで、役者さんたちも芸達者ぞろいで申し分なし。とても愉快で温かくて、気持ちよく泣ける映画でした。
パンフレットの裏表紙。このシーンもほとんどの建造物とエキストラがCGなんだそうです。あと都電も。
綴じ込みでついている、昭和33年当時の来館者用プログラムの復刻版。
このパンフレット、昭和33年頃の世相や映画のメイキング話なども楽しくて、700円にしてはなかなか盛りだくさんな内容。映画が100円でビールは1本125円という理不尽(?)な物価にも驚いたり。
当分はこの1冊で、おとぎ話の余韻が楽しめそうです。