SSブログ

偽ライカ同盟写真展 [TV, event, etc.]

ランチタイムのマンネリを打破しようと、いつもの四谷周辺から足を伸ばし、新宿通りをてくてく四谷三丁目方面へ。
しばらく行くと右側に、「杉大門通り」というのがあります。
ここを抜けて外苑東通りに突き当たった角にあるのが、カメラ買取り専門店「アローカメラ」。
店に沿って通りを右へ曲がったとき、小さな看板が目に入りました。

ん? 偽ライカ同盟

どうやら店の3階がギャラリーになっているらしい。で、現在開催中の写真展というのが、「偽ライカ同盟写真展2006」なんですね。
妙な名称とともに目を引いたのが、作品を出品しているメンバーの顔ぶれです。

  田中長徳、坂崎幸之助、東儀秀樹、なぎら健壱

隠れ「なぎら」ファンとしては、これはもう見るしかないでしょう(笑)
近くの中華料理店で昼食をすませ、さっそく行ってきました。

 

「ギャラリーちょーとく」の入口。
ちなみに「ちょーとく」は、写真家・田中長徳さんのお名前からとっているようです。

 

こんな感じで展示されています。全部で20点ぐらいでしょうか。

 

長徳さんの写真。20年ぐらい前の、ニューヨークの風景です。
空に向かってそびえ立つ「ワールドトレードセンター」を見ていると、不思議な気持ちがします。

 

こちらはアルフィーの坂崎さんの写真。4人の中で一人だけカラーなんですけど、タクシーの窓から見た都心の道路とか、テーブルの上の猫とか、肩肘張っていない感じがよかった。

 

東儀さんの写真では、アラブ系(?)の子どもやおじさんたち。そしてなぎらさんの写真では、下町の一杯呑み屋でコップ酒を飲んでいるおじさんたちが、生き生きした表情で笑いかけていました。
なんだか撮影した人の日常とか、心のありようとかが被写体に投影されているようで、なかなかおもしろかったです。

====

家に帰ってからネットで検索して、こんな写真集を買ってしまいました。

トウキョウ今昔1966・2006

トウキョウ今昔1966・2006

  • 作者: 田中 長徳
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2006/09
  • メディア: 大型本

40年前と現在の東京の風景を、なるべく同じアングルから撮影し、「トウキョウ」の今と昔を対比させようというもの。偽ライカ同盟メンバーである片岡義男、坂崎幸之助、なぎら健壱との対談も収録されています。

 

 

これは表紙にもなっている、原宿駅前の横断歩道橋。歩道橋は昔と変わらないままなのに、古い写真に写ったメーデーのデモ隊と、それを歩道橋の上から眺めるギャラリーの多さに驚かされます。

ただ、ここにある写真の数々は単なる記録写真とは違って、まぎれもなく長徳さんの「作品」。
あえてその風景を選びとった理由、撮影者の想いが、見えてくるような気がしました。

====

「偽ライカ同盟写真展2006」は、前編と後編に分けての開催。すでに前編は終わってしまいましたが、11月20日(月)には後編が始まります(12月30日(土)まで)。

ギャラリーちょーとくのホームページ → http://homepage2.nifty.com/arrow-camera/gallery.html


nice!(9)  コメント(19)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

オシム監督&反町監督、期待してます [TV, event, etc.]

先日、《別記事》のコメント欄でやりとりしていた「オシム監督待望論」ですが、どうやら現実のものとなりそうです。

サッカー日本代表:新監督人事、思わず明かす…川淵会長

鋭い舌鋒(ぜっぽう)で知られるイビチャ・オシム氏(65)=Jリーグ1部(J1)・ジェフ千葉監督=がサッカー日本代表の新監督に就任することが確実となった。24日に行われたワールドカップ(W杯)の帰国会見。日本中のサポーターが注目するジーコ監督の後任人事は、日本サッカー協会の川淵三郎会長自身による「世紀の失言」(川淵会長)という形で発表された。(毎日新聞 2006年6月24日記事より)

いやー、ひさびさにうれしいニュースです!
お昼すぎに携帯のニュースで見たときには目を疑いましたが、ネットのニュースを見ると、ほんとに内定したみたいですね。

今回のW杯日本代表については、90分戦えないフィットネスの低さを痛感させられました。
一方、オシム監督といえば、とにかく厳しい基礎トレーニングを選手に課し、「走りすぎで死んだ選手はいない」の名言を残している人。ただ選手の自由に任せるのではなく、戦術を徹底したうえで、選手に自分で考えさせる指導をしてきました。
あの弱かったジェフを、あそこまで強くしてくれたオシム監督なら、もう一度夢を見ることができるかも。期待はふくらみます。

2008年北京五輪出場をめざす男子のU-21(21歳以下)のほうは、ひと足早く、前アルビレックス新潟監督の反町康治氏(42)に決定しています。
反町さんといえば、Jリーグが発足したとき、いまは無き横浜フリューゲルスで「全日空社員」という身分のままJリーガーとなり、話題になった人。
引退後、スペインへのコーチング留学を経て、J2のアルビレックス新潟の監督に就任。チームをJ2からJ1に昇格させています。
昨年秋、「監督には賞味期限がある」と言って監督を勇退しました。

オシム監督と反町監督の2人に4年後を託すという協会の決断に、とりあえずホッとしております。

おかげで、これから始まるW杯決勝トーナメント、とっても気分よく楽しめそうです(^.^)


nice!(10)  コメント(24)  トラックバック(0) 
共通テーマ:スポーツ

ポンペイの輝き@渋谷Bunkamura ザ・ミュージアム [TV, event, etc.]

渋谷Bunkamura ザ・ミュージアムで開催中の「ポンペイの輝き」展を観てきました。

「ポンペイ展」と名のつく展覧会には、6年ぐらい前にも行ったことがあります。
このときの会場は東京・品川のインターシティ。
展示方法がとてもユニークで、まるで映画のセットみたいに、古代のポンペイの石造りの街並みがリアルに再現されていたんです。
大きなかまどのあるパン屋があったり、居酒屋があったり、まるで2000年の昔にタイムスリップしたような感じ。
テーマパーク気分で楽しめて、なかなか見ごたえのある展覧会でした。


イタリアのナポリ近郊にあったポンペイは、西暦79年のヴェスヴィオ火山の大噴火で火山灰に埋もれ、壊滅した都市として知られています。

  

 ポンペイの遺跡。写真下はパン屋の跡


ポンペイには実際にも訪れて感銘を受けたのですが、強烈な印象が残っているのは、子どものころにテレビで観た『ポンペイ最後の日』という映画。
何回もリメイクされているようなので、観たのが何年版なのか、誰が出ていたのか、そもそもどんなストーリーだったのかもよく覚えていないんですけど、逃げまどう人々の上に火山灰が容赦なく降りそそぐシーンが、とにかく怖かった。

今回の「ポンペイの輝き」展は、そんな映画のシーンがよみがえるような、ストーリー性豊かな展示方法に強く興味を引かれました。
出土品を種類別に分けるのではなくて、発掘された場所ごとに展示スペースを区切り、そこで出土したものをまとめて展示するという形式なんですね。
たとえば「メナンドロスの家」というコーナーでは、スプーンなどの食器やテーブル、寝椅子、エメラルドの指輪、そして大理石のアポロ像などもあって、この家に住んでいた人々の暮らしぶりがイメージしやすい仕掛けになっています。

また、亡くなった人々の遺体の型取りや、彼らとともに発掘された品々は、その人が何に価値を置いて生きていたか、そして最後の瞬間に何(あるいは誰)を守ろうとしたかを物語ります。
船で脱出しようとして、船倉庫の中で絶命した多くの人々の中には、メスや針などの医療器具一式を抱えた外科医師の姿が。
かと思えば、劇場の柱廊では剣闘士の兜や剣などと一緒に美しい指輪が展示されていて、貴婦人とその愛人の剣闘士が、おそらく最後の時をここで迎えたことがわかるのです。

個々の展示品も、すばらしいものでした。
エメラルドや真珠、真っ赤な柘榴(ざくろ)石をあしらった指輪や首飾りも美しいし、ヘビの形をした腕輪や、魔除けにゴルゴネイオンの首を描いたモザイク画は、いま見てもユニークなデザイン。
お酒を飲んでるお客さんたちを描いた居酒屋の壁画も、四コママンガ風のストーリー仕立てで楽しませてくれます。

それと、今回初めて「音声ガイド」というのを500円で借りました。
展示番号に合わせて小型の機械のボタンを押すと、ヘッドフォンから女性の声で解説が流れてくるというもの。
ぼーっと見てまわるよりずっとおもしろくて、鑑賞の手助けになります。
世界史に詳しくない自分にとっては解説文を読む手間も省けるし(笑)、借りて大正解でした。

最後にグッズコーナーに寄って、B5判のクリアファイルを買いました。
この大きさのがちょうどほしかったので。
絵は「タンバリンをたたくアモリーノ」。壁画に描かれたキューピッドです。

笑っちゃうところでは、ポンペイ柄の金太郎飴なんていうのも売っていました。
買いませんでしたけどね^_^;


「ポンペイの輝き」展は、6月25日(日)まで。
その後は以下の日程で全国を巡回します。

  • [仙台]仙台市博物館 2006年7月14日(金)~9月3日(日)
  • [福岡]福岡市美術館 2006年9月15日(金)~11月5日(日)
  • [大阪]サントリーミュージアム[天保山] 2006年11月18日(土)~2007年1月21日(日)

「ポンペイの輝き」公式サイト → http://www.asahi.com/pompei/
「Bunkamura ザ・ミュージアム」 → http://www.bunkamura.co.jp/museum/event/pompei/index.html


nice!(6)  コメント(14)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

MOTHER3、はじめました [TV, event, etc.]

冷やし中華、はじめました」みたいなタイトルになってしまいましたが。

「MOTHER3」で遊んでます。 

MOTHER3

MOTHER3

  • 出版社/メーカー: 任天堂
  • 発売日: 2006/04/20
  • メディア: ビデオゲーム

ものすごーくひさしぶりのゲームです。いやー、楽しいです(^o^)

どのぐらいひさしぶりかというと、5~6年前に《ドラゴンクエストVII エデンの戦士たちで、序盤にして早くも挫折して以来。
あのときは石版集めは大変だし、3D画面では船酔いしてしまうし……。
気力・体力の限界を感じ、ついに引退を決意。
以後、ゲームにはぱったり手を出さなくなってしまいました。

ところが、お気に入りだったMOTHERが長いブランクを経て3作目を発売することに。
で、あっさり引退を撤回! 自分でもあきれるほど意志薄弱であります。

 

MOTHER》は大好きなんです。とくに1作目が。
チャーリーブラウンそっくりの主人公と、古き良きアメリカのホームドラマみたいな世界。
気の利いたセリフをちりばめながら、あったかくて不思議な冒険物語が展開されていきます。
旧式ファミコンのピコピコ音にぴったりの鈴木慶一さん(ムーンライダーズ)の音楽もよかったし、冒険しながらメロディの断片を集めていくというコンセプトもユニークでした。
そうして完成した「エイトメロディーズ」、これがまた名曲なんですよね~。すべてを許すような、そして勇気づけるような。思い出すと泣けてきそうです。
それと、映画のようなエンドロールに自分の名前を発見したときの驚きといったら!
まだファミコン歴の浅いころに出会ったせいもあって、とにかく思い出深いゲームなのです。

今回発売された『MOTHER3』は、もともと《NINTENDO64》向けに開発中だったのが、(おそらく)ハードの能力が生かしきれないということでお蔵入りになったもの。
当時の開発映像(任天堂公式サイトより)はこちらにあります。↓
http://www.nintendo.co.jp/n10/spacew99/sokuho/28/soft/mother3/

そして、発売されたゲームボーイアドバンス版(同)の絵はこちら。↓
http://www.nintendo.co.jp/n08/a3uj/chara/index.html

MOTHERの世界をより忠実に継承しているのは、ゲームボーイ版のほうなんですよね。

↓パッケージまでそっくりです。上がファミコン版『MOTHER』、下が新発売の『MOTHER3』。

↓でも中身はこーんなに違うんですね。ここまでちっちゃくなるなんて、びっくり。

 


ところで、わたしは携帯ゲーム機を持っておりませんでした。
しかし『MOTHER3』はゲームボーイアドバンス用ソフト。
そこで、これを機会に話題の《ニンテンドーDS Lite》がほしいなと思っていたんですけど、なんだか品薄で簡単には買えそうにない。
どうしようかなと思っていたら、ちょうどそこへ甥っ子から取引話が。
(注:《自称ハウスダンサーの甥》ではなく、《USJ好きな甥》のほうです)
予約していたDS Liteを買ったら金欠になったので、手持ちのゲームボーイアドバンスSPを下取りしてくれないかというんです。

うーん、いまさらゲームボーイというのもいかがなものか。
でも目的はMOTHER3だからなあ。
考えたらこっちも金欠だし、少しでも安く遊べるならそれでいいかも。

――というわけで、取引成立~!
お値段は交渉の結果、本体に専用ポーチをつけて3,500円となりました。

本体は、こちら。↓

ゲームボーイアドバンスSP パールブルー

ゲームボーイアドバンスSP パールブルー

  • 出版社/メーカー: 任天堂
  • 発売日: 2004/09/16
  • メディア: ビデオゲーム

ポーチはこれです。↓

ゲームボーイアドバンスSP専用 MiniポーチSP ブラック

ゲームボーイアドバンスSP専用 MiniポーチSP ブラック

  • 出版社/メーカー: モリガング
  • 発売日: 2003/04/18
  • メディア: ビデオゲーム

慣れない携帯ゲーム機で、おばさん肩がこるんですけど……。がんばります。


nice!(4)  コメント(10)  トラックバック(2) 
共通テーマ:ゲーム

学校がなくなり、子どもたちが消えて [TV, event, etc.]

この10年間で廃校になった公立校の数は、全国で最も多いのが北海道。
次に多いのが東京都だそうです。

先週見たNHK総合テレビの「難問解決!ご近所の底力」という番組では、「ほうっておけない空き校舎」と題して、東京都心部の廃校がもたらす問題をとりあげていました。

初めて見た番組ですが、何か困りごとを抱えた地域の人びとをスタジオに呼んで、数人のレポーターがその解決策をプレゼンテーションする、というスタイルのようです。
視聴者参加番組というのはユルイ感じがあまり好みではないのですが、この日は新聞テレビ欄の番組紹介記事を見て、個人的に興味を引かれました。
わたしが通った中学校があるのも、やはり都内の過疎化が進む地域。たしか10年かそれ以上前から、統廃合で学校がなくなるという話が何度も持ちあがっていたからです。

スタジオに来た相談者は、東京都心部・神田駅東地区の方々。去年の春に地域の中学校が廃校となって以来、ゴミの投げ捨てや放置自転車の増加に頭を悩ませているといいます。
そしてもうひとつの問題は、学校がなくなることで風営法の規制がなくなり、近隣に性風俗の店が進出する恐れがあるということ。これにはちょっと驚くと同時に、神田駅前の繁華街という立地を考えれば無理もないなー、と思いました。
実際、全国には廃校のあおりで性風俗街に一変してしまった街というのもあるそうです。フーゾク、恐るべし!

レポーターからの提案は3つ。

  • 近隣の学校の第二教育施設(部活用のサブグラウンドなど)にすることで、ふたたび風営法の規制をかける。(京都市の事例)
  • 公共の多目的施設に変え、運営を地域住民に任せる。(大田区の事例)
  • 若いデザイナーに格安のオフィスとして貸す。(台東区の事例)

もともと小学校・中学校ともに統廃合で学校が減っているエリアですから、1つめの提案はちょっと無理があります。
2つ目は自主運営の組織づくりさえできれば、おもしろくなりそうですが、中心になって動いてくれる人材がいるかどうか。
3つ目は、ファッション関係の工場が多いというお土地柄ならではのアイディア。たとえばバッグデザイナーの女性が、引退した元職人の家にデザインを持ち込んで少量を製作してもらうなど、地場産業と人材の両方の活性化につながっているようでした。

番組の最後で紹介された、地域の「その後」。
廃校の活用に向けて動きだした神田駅東地区の方々のところに、地域の大学の学生たちが協力を申し出てきました。
そういえば、過疎化が進む山村で古いお祭りの伝統を継承するために、やはり地元の大学生に参加・協力してもらっている事例を目にしたことがあります。
神田は都心でも特に過疎化・少子化が進むエリアでしょうから、こういう助っ人はかなり頼もしいんじゃないでしょうか。

さて、テレビを見終えてから、ネットで母校の消息を検索してみると。
・・・案の定でした。
といっても厳密には廃校になったわけではなく、近隣の中学校2校を吸収合併するようなかたちで、新しい学校名を冠して辛うじて生き残っている状況です。まさに風前の灯。

学校がなくなることで、街が失うものはいかに大きいか。
それを考えると、かつて暮らしたその街のことが、とても心配になります。
まだ廃校にもならないうちから、取り越し苦労かもしれませんが・・・。


nice!(4)  コメント(15)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学校

スポーツ報道について(ちょっと脱線気味) [TV, event, etc.]

今朝(3月2日付)の朝日新聞の文化欄で、スポーツプロデューサー・杉山茂氏が「狂騒より地道なTV報道を」と題してトリノ五輪報道を振り返っている。その文章が、昨日ちょうど職場で話していた内容と重なるところが多かった。おんなじことを感じている人は多いんだなー、と少し安心したりして。

一部を引用すると、

……冬の勝負は冷酷だ。タイムや評価点の非情さは、"爪の差" で明暗を分ける。その厳しさをテレビ側はどれだけわきまえていたか。事前報道でも日本人選手の好記録を追うばかりで、海外選手の底力を紹介する労を厭わなかったか。……
勝つ勝つと煽らねば、チャンネルを合わせてくれない。その不安が、報道する側のクールな姿勢を忘れさせてしまう。

今回のオリンピックの成績不振については、企業頼みの強化体制の限界などいろいろ課題はあるだろうけど、それは脇へおくとして、テレビ報道のひどさは目に余った。
気軽に取材に応じてくれる若い選手ばかり密着取材して、世界での本当のレベルは不問のまま、「メダル圏内」と煽る煽る。それで惨敗した選手をスタジオに呼んできて、「感動をありがとう」なんてお茶を濁している。
かつて同じスポーツ報道の狂騒が、若き千葉すず選手を傷つけた。あのときの教訓は、何も生かされていない。

杉山氏は、こういう作られた報道に裏切られた視聴者の失望が、視聴率低迷の理由だという。視聴率を追求するあまりに視聴率を失うとは、なんとも皮肉な話だ。
それで思い出すのが、経済学者・岩井克人さんの『会社はこれからどうなるのか』と『会社はだれのものか』。ちょっと唐突だが、ここに出てくる「株価至上主義」とテレビ局の「視聴率至上主義」、なんか似ている気がするのだ。
株価を上げるために手っとり早く売上げを伸ばそうとする会社と、短期的な利益にしか興味がない株主。
視聴率を上げるために根拠のない熱狂を作りだすテレビ局と、視聴率以外の尺度を持たない番組スポンサー。
どっちもお客さん/視聴者の視点は置きざりのままだ。

さらに、岩井氏は『会社はだれのものか』のなかで、

……短期的な株価至上主義の会社には、短期的な利益しか求めないような株主しか居着けない。ある面、自ら墓穴を掘っている。
それは製品を作るときでもおなじで、それに見合った消費者が出てくる。

と語っている。
うーん、やっぱりテレビと似てるなあ。
視聴率の稼げそうなタレント(キャスター&リポーター&選手)任せにして、地道に現場を追う努力をしなかった。それで墓穴を掘ってしまったわけだ。
問題の根は深い。最後に飛び込んできた「金」1つで、うやむやにならないといいんだけど。


(脱線のネタ元はこちら。↓)

会社はだれのものか

会社はだれのものか

  • 作者: 岩井 克人
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2005/06/25
  • メディア: 単行本

会社はこれからどうなるのか

会社はこれからどうなるのか

  • 作者: 岩井 克人
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2003/02
  • メディア: 単行本

 


nice!(4)  コメント(9)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

谷啓さんのこと [TV, event, etc.]

2月22日は、谷啓さんの誕生日。Happy Birthday!

年季の入ったミーハーで気の多い私ですが、谷啓さんは別格です。
いつからファンになったのか、何がきっかけだったのかは、すでに忘却の彼方ですが。
少なくとも高校時代には、お財布の許す範囲でコンサートに行ったり、お芝居を観にいったりしていました。
当時、福田陽一郎さんが演出する舞台に谷さんはよく出演されていて、なかでもニール・サイモンの「おかしな二人」は心から楽しめた作品だったのを覚えています。
パルコ劇場だと規模も小さいので、いい席がとれると最後に花束を渡しに行ったりして。
生涯で最も積極的に、ミーハー道を邁進した時期でした。

古~い個人的エピソードをいくつかご紹介しますと、

  • エピソード1:劇場の楽屋へ突撃
    若気の至りと申しますか、厚かましくも楽屋へお邪魔したことがあります。
    ところが、こちらはド緊張して固まってしまうし、谷さんも極めてシャイな方なので、話が弾まないのなんのって。早々に退散しました。
    さぞかし変な高校生だと思われたことでしょう(苦笑)。
  • エピソード2:「笑っていいとも!」の・・・
    「テレフォンショッキング」のコーナーに谷啓さんが出演するのを知り、急いで電報を打ったところ、生放送中にタモリさんに読み上げられてしまいました。もっとマシな文面にしとけばよかった……。
  • エピソード3:J・Fさんが!
    谷さんとJ・Fさんの2人による舞台を観にいったときのことでした。歌いながらステージから降りてきたJさんが、通路側に座っていた私の手をとってキスをしたのです。
    足元には、谷さんに渡すつもりの花束とプレゼントが。見られたか……。
    お2人の関係が気まずくなってはと思い、花束をJさんに、プレゼントを谷さんに渡す作戦で事なきを得ました(納得いかないんですけどー)。


谷啓さんというのは、いろいろと逸話の多い人です。少年期、土に穴を掘ってその中で本を読んでいたとか、ハト小屋に隠れて通行人を観察していたとか。人見知りにも程があります(笑)。

若いころに植木等さんを乗せてポンコツ自家用車を運転していたら、ハンドルが右に切れなくなってしまった。そこで機転を利かせて、地図を思い浮かべつつ、右折なしで目的地に到着。
谷さん曰く、「左曲がりだけでもけっこう目的地に着けるものだね」

自宅が火事で全焼したときには、焼け跡で麻雀をしていたのだそう。
麻雀好きだったのはもちろんですが、ほんとうはお見舞いに来る人たちに、元気な顔を見せたかったから。こういう意表を突く気遣いが、いかにも谷さんらしいところです。

コメディアンとして、役者として、ナレーターとして活躍されている谷さんですが、トロンボーン奏者としても評価は高く、かつてはジャズ専門誌で常に上位にランキングされていたほど。
中学の入学式でブラスバンドの行進を見たことが、トロンボーンを始めたきっかけといいます。そして終戦後、心を揺るがしたのがジャズとの出会い。

「戦争中だったから、聴いてた行進曲って悲壮感あふれたマイナーな曲が多いわけ。そこへジャズ聴いちゃったから、もうたまらなくなった。すごく自由な気がしてね。ショック受けたんですよ」

戦中派の母からも、同じような話を聞いたことがあります。終戦でやっと自由に外を歩けるようになり、米軍のクラブで初めてジャズを聴いたとき、なんて楽しい音楽なんだろうと。戦争が終わってほんとうによかったと、あらためて実感したと話していました。

「人生を楽しまなきゃソン」という谷さんの根っこにあるのは、戦争のない世の中で笑って暮らすことの幸せ、家族や周りの人たちを楽しませることの喜びではないかという気がします。
そんな谷さんを見ていると、こちらまで自然と顔がほころんで、楽しくなってしまうのです。

誕生日のプレゼントに送った「いびきヒツジ」、気に入ってくれるといいなぁ。


タグ:谷啓
nice!(8)  コメント(19)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

W杯組み合わせ抽選会と試合日程とマスコット [TV, event, etc.]

2006年サッカーW杯・ドイツ大会の組み合わせが決まりました。

グループA:ドイツ、コスタリカ、ポーランド、エクアドル
グループB:イングランド、パラグアイ、トリニダード・トバゴ、スウェーデン
グループC:アルゼンチン、コートジボワール、セルビア・モンテネグロ、オランダ
グループD:メキシコ、イラン、アンゴラ、ポルトガル
グループE:イタリア、ガーナ、米国、チェコ
グループF:ブラジル、クロアチア、オーストラリア、日本
グループG:フランス、スイス、韓国、トーゴ
グループH:スペイン、ウクライナ、チュニジア、サウジアラビア

と、こう書いていても「へぇ~、こんな国が出るんだ」といまごろ驚いているサッカー素人ですが、なんだかC組が「死のグループ」なんだそうですね。あとE組も。日本が入ったF組はブラジルが別格とはいえ、まあまあ(=日本が2位通過できるかも)のグループらしい。

この組み合わせ抽選会は早朝からNHKで生中継されましたが、本戦のCSでの録画放映権を持つスカパー!でも、抽選会の4時間(!)前から生中継特番を放送するという熱の入れよう。
大勢のサッカー解説者や元選手・現役選手がずらりと並んで、途中何回か選手交代しつつ、ああだこうだと延々と語り合う。スカパー!ならではのゆるゆるな、じゃなくて贅沢な企画といえましょう。わたしは途中で寝てしまいましたが。

抽選会では世界の有名選手に混じって、アジア代表として中山雅史選手がドローアーのお役目を果たしていました。
中山選手のブログによると、衣装は全身ダンヒルで固めたとのことですが、あの中途半端に派手なマフラーはいかがなものか・・・。

グループFの試合日程は、以下のとおり。( )内は日本時間です。

6月12日 オーストラリア vs. 日本 カイザースラウテルン 15時(12日22時)
6月13日 ブラジル vs. クロアチア ベルリン 21時(14日4時)
6月18日 日本 vs. クロアチア ニュルンベルク 15時(18日22時)
6月18日 ブラジル vs. オーストラリア ミュンヘン 18時(19日1時)
6月22日 日本 vs. ブラジル ドルトムント 21時(23日4時)
6月22日 クロアチア vs. オーストラリア シュツットガルト 21時(23日4時)

日本対オーストラリア戦とクロアチア戦は午後10時からと、絶妙な時間帯です。母国でのテレビ中継の放映時間が最優先されているんでしょうねー。なんたって高い放映権料払ってるんですから。
ただし、ブラジル戦の早朝4時というのは相当きついっす。


ところで、FIFAの公式サイトを見ていて大会マスコットの生い立ち(?)を初めて知りました。

紹介ページ→http://fifaworldcup.yahoo.com/06/en/e/mascot.html
フォト・ギャラリー→http://fifaworldcup.yahoo.com/06/en/e/mascot/photos/index.html

まずライオンのほうが「ゴレオ六世(GOLEO VI)」。身長2メートル30センチ・体重220キロ、ボツワナ生まれの20歳のライオンです。
ボールの名前は「ピレ(Pille)」で、2003年アディダスの工場生まれ。2004年UEFAヨーロッパ選手権の準々決勝、ポルトガル対イングランド戦で働いていたピレは、PK戦でベッカム選手に蹴られてクロスバーを越え(つまりPK失敗)、なぜかスタジアムに潜り込んでいたゴレオの手に。以来、2人はいつも一緒にいるんだそうです。

仲良しな2人のツーショット。↓
http://fifaworldcup.yahoo.com/06/en/e/mascot/photos/index.html?i=1&d=1

ゴリオくんの一輪の薔薇にはどんな意味があるのか。そして恥じらうようなピレくんの表情。
2人の行方も気になるドイツ大会、目が離せませんね。(なんのこっちゃ)


nice!(0)  コメント(4)  トラックバック(1) 
共通テーマ:スポーツ

151点目の歓喜 [TV, event, etc.]

J1の東京ヴェルディ、アルディレス監督を解任。
ここ数試合大量失点が続いたこと、そして17日の日曜日、ジュビロ磐田に0-6と大敗したことが致命的だったようです。

その日、ジュビロの先制ゴールを決めたのが中山雅史選手。前人未到のJリーグ通算150点目をあげてから、じつに2か月半ぶりのことです。

ジュビロがまだJリーグに加入していなかった1993年、サッカーに詳しい同僚と1度だけ試合を見に行ったことがあります。
相手はともにJリーグ加入を争っていた柏レイソル。日立柏サッカー場でのレイソルのホームゲームでした。
平日にもかかわらず、スタジアムは大勢の観客の熱気にあふれていました。ピッチと客席の間が近くて選手に手が届きそうな感じ。なんだか幸せな気分になってきます。
そしてプレス席らしきところには、爆風スランプのサンプラザ中野&パッパラー河合の姿が。この二人は地元の東葛飾高校出身で郷土愛も強く、柏を舞台にした「KASHIWAマイラブ」なんて歌まで出しているぐらいですから、相当気合入れてレイソルの応援に来ていたものと思われます。

しかし結果はジュビロの勝利。このとき、わたしはまだJリーグ以外の選手のことはよく知らなかったんですが、中山はすごく目立つ選手として印象に残りました。
なんたって、肝心な場面でシュートをはずしたりして記録的にはあまり活躍していないくせに、試合が終わったらジュビロサポーターに向かってすごいアピールっぷり! 独りヒーローインタビュー状態で、「なんなんだ、この選手は?!」とあきれるのを通り越して感動すら覚えたのでした。

あの中山選手が、151点ものゴールを達成したなんて。
37歳の彼に残された時間はそう長くないと思うけれど、現役最後の日が来るまで、あの熱い心で存分に暴れまわってほしいものです。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:スポーツ

「夢で逢えたら」 [TV, event, etc.]

全然知らなかったんですが、三谷幸喜さんと清水ミチコさんのラジオ番組があると人から教わって、初めて聞いてみました。

平日夜、23時45分から24時までの15分間(といってもCMと音楽を除くと正味7~8分なんですけど)、J-WAVEでオンエアされている「DoCoMo MAKING SENSE」。13日の放送は、三谷さんが約20年ぶりに都バスに乗り、初めてのノンステップバスに戸惑ってコケたというお話でした。階段を上っていて、もう1段あると思ったらなくて、足が空振りして「おっとっと」みたいな感じでしょうか。ミッチャンが三谷さんのあまりのトロさに「虫酸が走るぅ~」と叫んでいたのがおかしかった。

清水ミチコさんを初めて知ったのは、毎週土曜日にフジテレビ系列で放送されていた『夢で逢えたら』というバラエティー番組です。調べてみたら、もう15年ぐらい前の番組と判明し、ややショックを受けておりますが。。。
レギュラー陣はダウンタウン、ウッチャンナンチャン、野沢直子、そして清水ミチコという、いまにして思えばかなり豪華な顔ぶれ。だれがメインということはなく、全員が対等なレベルから番組づくりに参加している感じがして、緊張感と親密感の混ざり具合がお笑い番組としては新鮮でした。

印象に残るコントのキャラクターとしては、ミッチャン演じる「ミドリ」も鬼気迫るものがあってよかったけど、松ちゃんの「ガララニョロロ巡査」が一番好きかなー。あの爬虫類的な可愛さとキモチ悪さがたまりません。あとは浜ちゃんの「うしろの百太郎」とか。やっぱりコントの王道は白塗りでしょう。

オープニングの音楽もよかったなぁ。サザンの「女神達への情歌」「フリフリ'65」、ユニコーンの「働く男」「スターな男」、リンドバーグの「BELIEVE IN LOVE」。ちょっと青臭いドラマ仕立てのオープニング映像も懐かしいです。「女神達への情歌」はこの時から現在までずっと好きで、いまも携帯の着メロに入っているほど。

野沢直子さんがアメリカへ芸人修業に行くといって降板し、程なくして番組も終了しました。その後しばらく経って、アメリカに住む彼女のところにみんなで押しかけるスペシャル番組があったけれど、たしか松ちゃんだけ一緒には行かなかった。何かこだわりがあったのか、単に照れくさかったのか。わたしとしては、この番組を大切に思う気持ちがそうさせたのかも、と勝手に想像しています。松ちゃんって意外とウェットな人だと思うから。


nice!(2)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:テレビ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。