オーボエ奏者の特別な一日 [music]
毎年秋の恒例、母のつきあいで布施明コンサートへ。
かつて布施さんがそこそこヒット曲を飛ばして、ほぼ同年代のジュリーなんかと一緒に賞獲りレースにも顔を出していた時代、歌番組をじつによく見ていました。(ジュリーのほうが好きでしたけど)
そんなわけで、とくにファンというわけじゃなくても知っている曲が多く、それなりに楽しんでいます。
ただ今年は、連日寝不足でへろへろなのでパスしたいなぁ・・・という気持ちがほんの少し。
こんなとき、いつもなら姉にチケットをまわすんですけど、今回は初めから一緒に行く予定を組んでいたから、それも不可能でした。
まあいいや、帰ったら速攻で寝よう。と腹を括って出かけたのですが・・・。
パスしたいなんて、一瞬でも考えたわたしが大ばか者でした!
なぜって、大好きだけどもう聞けないと思っていた「オーボエ奏者の特別な一日」を、何年かぶりに歌ってくれたからです!! もう、大感激~~♪♪
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ちょっと長めのタイトルのこの曲は、三谷幸喜さんが作・演出したミュージカル《オケピ!》の挿入歌。
2000年に初演、2003年に再演された「オケピ!」の両方に出演していた布施さんの役は、几帳面で神経質で、孤独を愛するオーボエ奏者でした。
物語の舞台は、ミュージカルを上演中のオーケストラ・ピット(略してオケピ)。
開演前からカーテンコールに至るまでのミュージカルと同時進行する形で、舞台を陰で支える個性的な演奏者たちの複雑な人間関係、そして次々と降りかかるハプニングが、にぎやかに描かれていきます。
初演はコンダクターが真田広之、ハープ奏者が松たか子。再演はコンダクターが白井晃、ハープが天海祐希というキャスティングでした。(残念ながら再演しか観ていないのですが・・・)
布施さん演じるオーボエ奏者は若いころに離婚していて、そのとき別れた一人娘が今日の舞台を見に来ることに。そこでオケピのメンバーたちが彼の見せ場をつくってやろうと考え、オーボエのソロが実現します。
そのナンバーが、「オーボエ奏者の特別な一日」。20年ぶりに娘が「一目だけでも」と会いに来た日曜の午後のことを、10分近くにおよぶ長い曲の中で、静かに情感をこめて歌い上げます。
やがて一人の女性が 店に入って立ち止まる
僕は彼女とすぐに分かった そこに入って来た彼女は
そこに入って来た彼女は 僕の妻にとてもよく似ていた
……
僕らは店の前で別れた 別れ際に彼女は言った
恥ずかしそうに目を伏せて
「結婚します。」
僕はおめでとうとつぶやいた 彼女はうつむき微笑んだ
そして僕に手を振って 彼女は去って行った
去って行く彼女の後ろ姿 僕はいつまでも見送る
彼女が見えなくなるまで 彼女が見えなくなっても
その夜いつものように 僕はテレビを見ていた
いつもと違うのは 朝まで祈り続けたこと
神様 娘が幸せになりますように
世界中の父親が100回唱えるなら 僕は1000回唱えよう
彼女が幸せになりますように 僕の一人娘……
(作詞:三谷幸喜/作曲・編曲:服部隆之)
劇場の観客全員の心を揺さぶる、布施さんの豊かな声量と表現力。
あちこちから鼻をすする音が聞こえてきます。わたしの涙腺も爆発寸前。
「オケピ!」は心の底から笑える楽しい舞台ですが、この一曲があることでお芝居全体が引き締まるような、本当にかけがえのない曲、それが「オーボエ奏者の特別な一日」なのです。
2003年の再演を観に行った年の秋、布施さんは自分のコンサートでもこの曲を歌ってくれました。
またまた感動してしまい、ネットで検索して、CDシングルにひっそりと収録されているのを発見、即購入。以来、携帯音楽プレーヤーに入れて、道を歩きながら、電車に揺られながら、いまだによく聴いています。
そして聴くたびにウルウル。たとえば朝10時ごろの四谷近辺で、ヘッドフォンをしながら目に涙をためて歩いているヘンなヤツを見かけたら、それはかなりの確率でわたしです。
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今年のコンサートは、ヒットしたかどうかに関係なく布施さんのお気に入りを中心にした構成で、いつもよりぐっと落ち着いた雰囲気の2時間20分でした。
そんな思い入れのある大切な曲の中に「オーボエ奏者」が入っていたことが、なんだかとてもうれしかった。
それともうひとつ。
「オケピ!」ではこの曲が演奏される間、劇中劇のような形でハープ奏者がオーボエ奏者の娘役を演じ、「結婚します」の台詞を言います。
初演では松たか子さん、再演では天海祐希さんが、初々しい声で父親に告げたこの台詞を、今回のコンサートではなんと仲間由紀恵さんが! (もちろん、声だけですが)
同じ事務所のよしみで、「結婚します」だけをひと言、録音してもらったそうです。曲と違和感のない、とても素直ないい声でしたよ。
「オーボエ奏者の特別な一日」(松たか子バージョン)が入っているCDは、こちら。↓
ミュージカル「オケピ!」(再演)のDVDは、パルコ↓のオンラインショップで入手可能です。
http://www.parco-play.com/web/page/shop/
「オケピ!」公式サイト → http://www.parco-mitanikoki.com/web/okepi2003/
Still Crazy for You ― Crazy Cats & Yuming [music]
うかつでした。
自分は谷啓さんの大ファンである、と《過去記事》であれほど熱く(?)語っていたというのに、
こういうCDの存在を、発売日当日になって初めて知るとは。
ファンとして、深く深~く反省しております。
Still Crazy For You (初回限定盤)(DVD付)
- アーティスト: クレイジーキャッツ&YUMING, 谷啓, 松任谷由実, 松任谷正隆
- 出版社/メーカー: 東芝EMI
- 発売日: 2006/04/12
- メディア: CD
渡辺プロダクション創立50周年&クレイジーキャッツ結成50周年を記念して、
松任谷由実さん(ユーミン)が作詞作曲したというデュエットソング。
そのヴォーカルはユーミンと、谷啓さんなのであります!
曲はヴォーカルの谷啓さんのほか、ベースの犬塚弘さん、ピアノの桜井センリさん、
そして「お呼びでない?」の台詞で植木等さんも参加。
そこへ、故人のハナ肇さん、安田伸さん、石橋エータローさんも、
ライヴ音源からサンプリングした演奏で共演し、音とプロモーション映像では
往年のメンバーが勢ぞろいしています。
今回遅ればせながら入手した限定盤は、プロモーションビデオ&特典映像を収録したDVD付き。
荷物を開けてびっくり! 昔のLPレコードみたいな10インチの紙ジャケット仕様です。
「シャボン玉ホリデー」ふう(?)に着飾ったユーミンと、昔のクレイジーの面々との
合成写真なんですけど、これがいいんですよー。みんな明るい目をしていて。
わたしの部屋がもう少し広かったら、壁に飾りたいくらいです。
やっぱり紙ジャケットっていいなあ。
谷さんとユーミンが写った写真の裏は、歌詞カードになっています。
DVDの特典映像にはレコーディング風景が収められていて、これがまた楽しい。
スタジオには編曲の松任谷正隆さんの姿が。
気持ちよさそ~に歌うお二人。
最後になりましたが、この『Still Crazy for You』という曲。
歌詞は甘く、曲はシンプルで覚えやすく、とても懐かしい匂いのするなかなかの名曲です。
ユーミンの声はあまり好みではないんですが、今回はすんなり耳に入ってきました。
公式サイトの情報によると、4月から5月の間はフジテレビ系「ウチくる!?」(日曜12:00~13:10)のエンディングテーマとして流れているようです。
みなさまもよかったら、ぜひ一度聴いてみてくださいね。
ピアノの定期健診 [music]
今日は年に1度のピアノ調律の日。
ふだん全然弾いていないので、調律師さんに毎年、
「たまには弾いてあげてくださいね~」
とやんわりお小言を頂戴する。
なぜにバレるかというと、鍵盤を叩けば落ちるはずの内部の細かなほこりが、そのまんま積もっているからだそうだ。お恥ずかしい。。。
毎年定期的に調律をするようになったのは、夜でも気兼ねなく弾けるようにと、サイレントピアノ用の機器を取り付けてから。
わが家の初代のピアノは姉の家にもらわれていってしまったので、いまうちにあるのは2代目のピアノだ。
買い換えてまもなくピアノ教室に通うのをやめてしまったせいで、ずっと調律もしていなかったんだけれど、サイレントの機械を取り付けにきた楽器屋さんがひさしぶりに調律をした。
そこで判明。
全部の音が半音低くなっている!
何が一番困ったかというと、ピアノの音と一緒に私の頭ん中の音感まで狂ってしまったということ。
ピアノは調律すれば直るけど、こっちの音感はそう簡単には修正できない。
たとえば、ドレミのドの音を弾くと、ドのシャープに聞こえてしまう。もう、気持ち悪くてたまりません。
買い換えてから真面目に弾きこんでいれば、そして毎年きちんと調律をしていれば、こんなことにはならなかった。それですっかり懲りて、毎年必ず調律してもらうようになったのだ。
そして現在、私の音感は……相変わらず半音狂った状態をキープしている。ピアノ弾いてないんだから当たり前か。
今年こそ、まめに弾こう! 毎年そう決心をするんだけれど。
ピアノの前面を開けたところ。鍵盤を半分ずつはずしてほこりを掃除する。
鍵盤の下にはサイレントピアノの光センサーと基盤が。
↓下に見えるのは調律師さんの手。 来年もよろしくお願いしまーす。
Happy Christmas (War Is Over) [music]
年の離れた姉がいわゆるビートルズ世代で、小さいころからよくレコードを聞かされた。
好ききらい関係なく、いつもそこに「あった」という感じだ。
姉はビートルズの日本武道館での来日公演にも、学校の先生の許可をとって行ったほど熱烈なファンだったし(当時はロックのコンサートに行くなんて、「不良」のすることだったのです)、解散しても彼らが最愛のスターでありつづけたと思う。
25年前のいまごろ、ジョン・レノンは久しぶりに音楽活動を再開した。発売されたLP『ダブル・ファンタジー』を、もちろん姉も購入。当時のわたしにとって、オノ・ヨーコの曲はちょっと刺激が強かったけど、それでも一緒によく聴いた。ジョンの歌は、ヨーコが好きだ、ショーン(息子)が愛しいと、おなかいっぱいになるほど愛のメッセージにあふれていた。
その直後に、ジョンはニューヨークの自宅の前で射殺されてしまった。
アルバムA面の1曲目、「スターティング・オーヴァー」の冒頭に入る小さな鐘の音が、鎮魂の鐘に聞こえてしょうがなかったのを覚えている。
わたしはジョンの声が好きだ。高音をシャウト気味に歌うときにちょっと割れるところとか、バラードっぽい曲を歌うときの甘えたような声とか。「ジェラス・ガイ」なんて、傷つきやすい少年が拗ねて甘えているような感じがして、胸が一杯になってしまう。
だからハッピーな歌を歌っていても、どこか切ないのだ。いまにも壊れそうなものを、大切に守ろうとしている少年のイメージが重なって見える。
「ハッピー・クリスマス(War Is Over)」もそんな曲のひとつ。ハッピーだけど、切ない。
わたしの中では間違いなくクリスマスソング・ベスト3に入る曲だ(あとの2曲は・・・これから考えます)。
そして毎年恒例のことだけど、今朝、携帯の着メロをこの曲に変えた。
来年こそWar Is Overと言える年になりますように。
布施明・ナマ「少年よ」はすごかった [music]
毎年恒例の布施明コンサートに行ってきた。
いや、わたしじゃなくてうちの母がデビュー当時からの大ファンなので、その付き添いなんですけれども。
布施さんは昨年、芸能生活40周年を迎えた。
しかし本人曰く、うち10年間は国外逃亡をしていたので「なんちゃって40周年」なんだそうだ。
国外逃亡って、女優オリビア・ハッセーと結婚してアメリカで生活していた10年間のことなんだけどね。すっかりギャグにしちゃってます。
その40周年記念として、満を持して発売したシングル「自由」(松山千春作詞・作曲)をすっ飛ばし、予期せぬヒットとなってしまったのがこれ。
本人の意思に反して(?)、今年はヒット曲メドレーよりも何よりも、この歌が一番盛り上がっていた(わたしの中では)。だって、ほんとにいい歌なんですからー。以前の記事にも書いたように、布施さんのカーンと響きわたる濁りのない声が、この歌の雄大さにぴったりはまっているのだ。CDもいいけど、ナマで聞くとその迫力が背骨にずしんと来る。
「少年よ」は「仮面ライダー響鬼」のエンディングテーマだけど、ヒットに気をよくしたプロデューサーからオープニングテーマも頼まれて、この11月2日に新曲をリリース。
仮面ライダー響鬼 新オープニングテーマソング「始まりの君へ」
- アーティスト: 布施明, 藤林聖子, 佐橋俊彦, TVサントラ
- 出版社/メーカー: エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
- 発売日: 2005/11/02
- メディア: CD
すごいジャケットだー。ちょっとコワイな。
強い高音でかなりノドに負担をかけるらしく、さすがの布施さんも3回歌うと声を嗄らすという恐ろしい曲である。聞くほうは気持ちいいんですけどね。
「少年よ」が話題になったころ、どんな番組かと思って日曜の朝にちょっと早起きして、「仮面ライダー響鬼」を1回だけ見てみた。
そしたら、主人公の仲間らしき人がギターかき鳴らして浜辺で戦ってるし(←楽器が武器なのか?)、主人公はちっとも戦わないでまったりしてるし、むかし見たヒーローものとあまりにイメージ違っててびっくり。しかも1回見ただけでは話の展開が飲み込めない……。
たしかにウルトラマン派(というよりウルトラセブン派)のわたしは、もともと仮面ライダーには全然詳しくない。しかしライダーはいつからこんな路線に変わっていたんだろう?
テーマ曲が縁で、布施さんも番組にゲスト出演したそうだ。かつて仮面ライダーとして戦い、いまは引退して、研究所で武器の開発なんかをしている研究員役。
なんと仮面ライダーって、40歳定年制らしい。知らなかったなー。それで変身できなくなって、布施さん(役名がわかりません)は研究所の主任研究員に。一応これ、仮面ライダー的世界ではエリートコースらしい。という話をしている時の布施さん、ちょっとうれしそうだ。
コンサートは若干押し気味で、2時間半ぐらいになっただろうか。最後の一曲まで、マイクの電源切ってほしいぐらいの声量に圧倒されっぱなしだった。
これでもうすぐ58歳だなんて信じられない。……という話をしたら、最近ジュリー(沢田研二)のコンサートに行ってきた姉は、布施さんとほぼ同年代のジュリーのステージも踊るわ走るわで、すごくエネルギッシュなんだと言っていた。
還暦近いのにステージを走るのか。団塊の世代、恐るべしである。
KILLER STREET, Southern All Stars [music]
今日は一日中これを聴いてました。
あんまり頭を使わない単純仕事だったので、勤務中もshuffleで聴きっぱなし。
ゆうべは先に特典のDVDを鑑賞しました。
青山・キラーストリートにあるビクタースタジオでのレコーディング風景を、延々と40分ほど撮影したもの。時々メンバーの短いコメントも挿入されます。
いやー、音楽が生み出される瞬間というのはなかなか感動的です。
桑田さんがまだ歌詞のないメロディを、ギター1本で歌いながらスタジオのメンバーに伝えると、すかさず音符に書き取る人がいて、その横でみんな必死にコード進行なんかを書き写している。(彼は未だに楽譜を書けない書かないのですね^_^;)
セッションが始まると、核になるイメージに各パートのアイディアが重なって、肉付けしたり、発想を変えてみたり、時には勢いに任せたりしながら1曲ができあがっていきます。
各曲のレコーディングの経緯については特典ブックレットの桑田さん自身によるセルフライナーノーツに詳しく書かれていて、それがまた楽しい。文章にリズム感と疾走感があるというか。これも一種の音楽的才能?
アルバムの中では、明るいマイナー調のメロディと華やいだアレンジの「セイシェル~海の聖者~」が一番好きかな。静かな余韻の残る「ひき潮~Ebb Tide~」もいいし、サザン的60'sが楽しい「恋するレスポール」もかなり気に入っています。個人的にこういうGSっぽいノリの曲って、無限にリピートして聴きたくなるんですよねー。
ところで、サザンのコンサートには一度も行ったことがないんですが、桑田さんと原坊にはばったり遭遇したことがあります。
誰だったか外タレさんのコンサートに友だちと行った時、まだ結婚前(たぶん直前)の二人も同じコンサートに来ていました。周りにあまり人がいなかったせいもあり、目が合うと照れくさそうに会釈してくれたのがうれしくて、いまでも鮮明に覚えています。誰のコンサートだったのかは忘れてしまったんですけど・・・。
ROCKなハクション大魔王 [music]
わたしの職場では朝から晩までInterFMがかけっぱなしになっていて、いろんな曲と番組がBGM代わりに流れてきます。
といっても、ニュースが英語だったり、かかる曲が洋楽メインだったりするので、ヒアリング能力の乏しいわれわれには何の妨げにもなりません(^_^;)
そんなInterFMで、毎日夕方4時から始まる「Dave Fromm Show」。
Dave Frommさんというのは渋い低音から素っ頓狂な高音まで七色の声を持つDJで、東京ディズニーシーのショーのナレーションも担当しているらしい。
番組では、新旧取り混ぜたROCK漬けの3時間の合間に、以前から「ほぼ使えない英会話」などのギャグコーナーがちょこちょこ挟み込まれていたんですが、2~3か月前にリニューアルされて以来、彼のワル乗りトークがますますパワーアップしてきました。
Daveさんからの無茶な指令を帯びて街に繰り出す「ケチャップさん」(男性)とのやりとりも、ちょっといたぶってる感じでおかしい。ちなみに今日は、「柔道の黒帯外国人を探してスタジオに連れてこい」という指令でした。なんだそれ。
この夏の番組のテーマは「東京はROCKか?」。東京の「ROCKな町」探訪(なぜか上野、柴又、巣鴨などをレポート)や「ROCKな人々」へのインタビューのほか、ROCK限定のイントロクイズというのもやっていました。
早回しした曲を当てる「早トロ」、逆回しした曲を当てる「逆トロ」、誰かがハミングした曲を当てる「口トロ」など、いろんな方式でリスナー相手に出題しているんですが、先週末はスタジオでの生演奏による「生トロ」で、ギターをギュインギュインいわせながらROCKな(?)イントロクイズを展開していました。
その時Macで鋭意作業中のわたしの耳に飛び込んできた曲は、
・じ~んせい 楽ありゃ 苦もあるさ~♪(『水戸黄門』)
・ぴょこん、ぺたん、ぴったんこ~♪(『ど根性ガエル』)
・は、は、ハクショーン大魔王~♪(『ハクション大魔王』)
この選曲でシャウトできるロケンローラー、あなたは誰?!
特にハクション大魔王ROCKバージョンには心躍り、もはや仕事どころじゃなくなってしまったのでした(こらこら)。
タツノコプロのアニメ『ハクション大魔王』は、主人公の男の子が拾った魔法のツボから、くしゃみをするとハクション大魔王が、あくびをするとアクビちゃんが出てきて騒動を起こすというお話でした。
同じ時期にハンナ・バーベラものの『大魔王シャザーン』というアニメが放送されていましたが、こちらは主人公の男の子と女の子が指輪を合わせて「出てこいシャザーン!」と叫ぶと、アラジンよろしく大魔王シャザーンが登場して、どんなピンチからも救ってくれます。
シャザーンは完全無欠なスーパーヒーローなのに対して、ハクション大魔王はなんとも頼りなくてかっこ悪い、でも人情味あふれるキャラクター。同じアラジンの魔法のランプから派生するお話でも、お国柄でここまで違うものなんですねー。わたしはどっちも好きでした。
そしてこのハクション大魔王の主題歌は、妙にパンチ&こぶしの効いた歌声が子供心にも印象的でした。まあROCKというよりは演歌ですけれども。
こんな選曲をするDaveさん、いったい何者なんでしょう? 最近とても気になってます。
ある年、ある海辺で流れていた夏のうた [music]
学生のころに入っていたサークルでは、毎年夏の恒例行事として「海の家」を運営していた。一種の夏合宿みたいなものだ。
一応、軽食とかソフトドリンクとかを出していて、海水浴客がそれなりに入っていた。
その時にBGMとして流していた曲を集めたテープが、いまでも残っている。
部員全員で勤務シフトを組んでひと夏の営業を終えたあと、先輩が選曲して後輩に配ったものだ(…ったような気がする)。
ふと思いついて取り出してみたら、あんまり懐かしくて赤面した。海と夏がまったく似合わない“生涯帰宅組”のわたしが、こういう曲を聴いていたとは。いやはや、面目ない。
内容はこんな感じだ。
・JAGGED EDGE(愛はいたずら)/ALESSI
海の家の開店準備のころにかかっていた、双子のデュオALESSIの数少ない(と言っちゃ失礼だが)ヒット曲である。爽やかすぎて風のように消えていった二人。
・ASAYAKE/CASIOPEA
タイトルそのままに、晴れた夏の金色の朝焼けが思い浮かぶ名曲だ。そして開店!
・Sister Golden Hair(金色の髪の少女)/AMERICA
名前はアメリカなのに、イギリスから出てきたバンドらしい。ソフトなボーカルと印象的なギターのメロディが、いま聞くとちょっと甘ったるい。ひと言でいうとカリフォルニアって感じ?
・GEMINI/中原めいこ
先輩の誰かがファンだったらしく、この人の曲はやたらかかっていた。GEMINIという曲は川島なお美も歌っていたが、こちらが本家。まあ、どっちでもいいが。
・CECILE/CRYSTAL KING
「大都会」でおなじみのクリキン、しかし全然イメージが違う。暑苦しくも重たくもない、かなり清涼感あふれる一曲。
・まっ赤なビキニのサンタクロース(TAPPIN' AND CLAPPIN')/伊藤銀次
ナイアガラー&ウキウキWatchingの銀次さんです。
・真夏の出来事/ヒマラヤ・ミキ&MODOKEES
平山三紀じゃありませんよ。のちに「夜霧のハウスマヌカン」を歌う「やや」が「ヒマラヤ・ミキ」を名乗ってカバーした企画モノ。テクノアレンジになっている。
・SUGARTIME/佐野元春
存在そのものがかっこよくて憧れだった元春さん。歌詞の独特の転がし方とか、押しつけがましくなく印象に残るメロディとか、好きだったなあ。
・ウエイトレス/竹内まりや
そろそろ閉店も近づいてきました。というころにかかった静かな曲。夕暮れによく合う。
・砂浜/杏里
杏里の曲としても、この夏を思い出す曲としてもこれがベスト。
「ぼくは 悲しみの夜や 淋しい夜更けはいつも
砂浜でひざを抱えて 目を閉じてみる」
しみじみ……。
余談だが、結局このサークルからはその年のうちに退部した。本来の活動とは離れたところで幻滅することや腹の立つことが多々あったせいだが、将来どういうことがしたいかを少し真剣に考えたり、貴重な体験もいろいろした。いい友人にも会えたし。それでよしとしよう。
「風立ちぬ」がもう一度聴きたい [music]
「風立ちぬ」というアルバムがあります。
過密スケジュールをこなし、のどを酷使しすぎ、デビュー当時の突き抜けるような強い声が全く出なくなってしまったころの松田聖子の作品です。
当時、学校の友人Mがテープにダビングしてくれたのですが(アナログ時代でしたので)、わたしはいっぺんで好きになってしまいました。
作詞はすべて松本隆。
これがすごくいいんです。
雰囲気はもちろんナイアガラサウンドっぽいのですが、シンガー松田聖子の実力は曲に負けていない。かなり複雑なメロディもさらりと歌ってみせるし、フィクションとしての「女の子」を見事に演じきっています。
かといって、うまさに自己陶酔することもない。歌詞を一語一語ていねいな発音で歌うところは、デビュー当時もいまも彼女の最も優れた部分だと思います。
一番好きだったのは「いちご畑でつかまえて」(曲:大瀧詠一)。歌詞はぶりぶりの松本隆ワールドなんですが、この不思議で懐かしいメロディは一度聞くとやみつきになります。
しっとりした感じの「ガラスの入江」(曲:大瀧詠一)、かわいくて切ない「雨のリゾート」(曲:杉真理)も秀逸。目の前に海や雨の情景が鮮やかに浮かんでくるような曲です。
しかし例によって、CDは持っていません。レコードすらも。なんたって「カセットテープ」でしたから。
AmazonだとCDが1,529円かー。どうしよう、買っちゃおうかなあ。
山下毅雄「ルパン三世の世界」 [music]
ミニコンポのMDプレーヤーがいつの間にか壊れてました……。
何を入れても「Mecha Error」って出ます。
でも最近はもっぱらパソコンで音楽を聴くので、まあいいやって感じ。
修理代が結構高そうだし、とりあえずCD部分は無事のようなので。
狭い家だというのに、うちには昔のいかついステレオセットもあって、
アナログのレコードプレーヤーも現役です。
針のオートリターン機能すらついていない単純構造なので、
アンプが故障したってコイツだけは元気。
やはり機械も人間もシンプルに限りますね(負け惜しみ)。
先日、LPの棚を掃除していたら、こんなん出てきましたー。
「山下穀雄オリジナル・スコアによるルパン三世の世界」。
ルパン三世1stシリーズの音源を再現したサントラ盤です。
この緑ジャケット時代のルパンに惚れ込んで、再放送を何度見たことか。
さすがにモンキー・パンチ氏の原作コミックスは、子どものわたしには少々
刺激が強すぎましたけど……(とか言って読んでたんですが)。
好きだった回のひとつは「じゃじゃ馬娘を助け出せ!」で、
その数年後に製作された映画『ルパン三世 - カリオストロの城』を観たら、
話の展開と雰囲気がやけにそっくり。
当時は監督・宮崎駿の名前を知るはずもなく、一緒に映画を観にいった友人と
「緑ルパンだー」と無邪気に喜んでましたが、ファンの方々のご指摘のとおり、
たしかにあのルパンのふくよかな顔には未来少年コナンが確実に乗りうつってます。
さて、この旧ルパンの音楽を担当しているのは山下毅雄さんです。
アニメソングなのに、なんで?!っていうぐらいジャズしてたり、ブルースしてたり。
チャーリー・コーセイの哀愁漂うボーカルと、子どもには意味不明の歌詞。
「ダバダバダ~」にもいろんなバージョンがあっていかしてます。
山下さんの音楽というと、「クイズ・タイムショック」「時間ですよ」
「大岡越前」「プレイガール」「11PM」(注:これは勘違いでした。HAYAKOさん、
情報ありがとうございます)「黄桜・かっぱの唄」などなど、
印象的なスキャットや口笛を盛り込んだ主題歌やCM曲がたくさんあります。
ちなみに奥田民生さんがシングルのカップリング曲として歌っている
「ワルサーP38~♪」のエンディングテーマも、オリジナルの魅力を損なわずに
けだるい雰囲気を再現していておすすめです。
さらに、アルバム「E」の「鼻とフラワー三世」も、山下毅雄さんテイストが
ぷんぷん匂っていてお気に入り。
久しぶりにレコード聴いてみたら、やっぱりいい。記憶以上にファンキーです。
唯一残念なのはパソコンに取り込めないこと。
旧ルパン三世のBGMはCD化もされているので、パソコンで聞くためには
こっちを買えばいいんだけど、なんかアナログを裏切るみたいで躊躇してしまいます。
でもMP3プレーヤーに入れて持ち歩きたいし。ああ、困ったなー。